めぐみロード

4 めぐみ 観戦する

デビューから数ヶ月、めぐみと千種は何度かシングルで対戦した。
結果はお互い互角で、新人同士の対決として一種の注目カードになっていた。
また、それ以外にも先輩選手、外人選手やフリーの選手等とも対戦したが、シングルでは負け続きだった。
しかし、タッグでは先輩レスラーのアシストなどで勝利するなど、少しずつだが成長していた。
そして、めぐみがデビューしてから4ヶ月、めぐみは秀男と一緒にプロレスの試合を観戦していた。
観戦といっても、秀男がプロレスの取材ついでにめぐみを誘ったのである。(チケット代は秀男持ち)
「たまには他団体の選手の試合を見てみるのも勉強になるだろ、めぐみ」
「そうね。でも以外ね。秀があたし以外の選手の取材するなんて」
「あのな、俺はスポーツジャーナリストだぞ。他の団体や選手だって取材するよ(一番はめぐみだけどな)」
二人がそんなやり取りをしていると、試合が始まった。
試合は順調に進行して行き、メインイベント「フォクシー真帆VSドルフィン早瀬」に入った。
最初は早瀬が打撃で押していたが、5分を過ぎた頃から真帆がパワー技で圧倒していった。
そして10分後、真帆はフォクシードライバーで早瀬を叩きつけた。
そしてフォールに入ったが、2・9で返した。
最後は早瀬がカウンターのスーパーキックで真帆を倒し、3カウントを奪い勝利した。
試合観戦後、めぐみと秀男は撮影した写真を確認しながら、試合について話していた。
「めぐみ、結構参考になっただろ?」
「うん。試合の技術もだけど、客席から見ると結構見え方が違うね」
「そうか。まあ今日のことを踏まえていけば試合運びも良くなるだろうな」
「そうだね・・・・・・」
めぐみは今日見た試合と自分の試合を比較して、自分の力不足を少し感じた。
「まあ、それはそうとめぐみ、次のシリーズに村上姉妹が参戦するんだって?」
「そうだけど、どうかしたの?」
「いや、村上姉妹の評判はお前だって知ってるだろ。だから心配なんだよ」
村上姉妹とは、村上千春、村上千秋の双子の姉妹タッグで、反則を厭わない攻撃で流血は勿論、対戦相手を病院送りにすることもあるというヒールレスラーである。
「大丈夫よ。反則なんてどうってことないわよ!」
「そうだといいんだけどなあ・・・・・・がんばれよ」
大丈夫というめぐみを、秀男は心配そうにしながらも応援した。

5 村上姉妹 大暴れ

男の心配は的中した。
村上姉妹は新女マットで大暴れした。
試合では反則を含めた残虐ファイトで流血は当たり前で、正にやりたい放題だった。
しかし、タッグではたくみなチームワークと反則で越後、永原タッグに勝利(ほとんど反則だが)するなど確かな実力も兼ね備えていたため、選手達は翻弄された。
特にキューティー金井は反則で泣かされるのはもちろん、タッグでは複合関節技で延々といたぶられるなど、格好の獲物だった。
そして、めぐみは村上千春、千種は村上千秋と対戦が決まった。
試合の日、秀男は取材のために最前列にいた。
「めぐみ、大丈夫かな〜」
秀男が心配していると、入場曲が流れ出し、村上千春、武藤めぐみがリングインした。
そして、試合開始のゴングが鳴った。
(反則される前に勝負をつけなきゃ!)
めぐみは試合開始から先制のドロップキックを放った。
「ぐはっ!!」
「まだまだ」
めぐみは倒れた千春を起こすと、ボディスラムで投げ飛ばした。
それからはめぐみの攻撃が続いた。
技も得意の飛び技の他、投げや打撃技など、特に打撃に関しては試合では今シリーズで多用し始めた技もあった。
(めぐみ、攻めてばかりだと相手の思うつぼだぞ)
秀男の不安どうり、3分経過した頃からめぐみは攻め疲れたのか、動きがやや鈍くなってきた。
「そろそろいいかな」
千春は向かって来るめぐみをダッシュして抱えると、そのままスクラップバスターで叩き付けた。
「がはっ!」
「バカだね!こっちの作戦に簡単に引っかかるなんて!今までのお礼はたっぷりさせてもらうからな!」
千春はそう言いながら、不敵な笑みを浮かべていた。
それからの試合は、まさに地獄だった。
千春はめぐみの首をロープで挟んで絞め上げ、めぐみが動かなくなるとコーナーポストに頭から叩きつけた。
その衝撃でめぐみの意識は回復したが、同時に額が割れて流血した。
めぐみは起き上がり反撃しようとしたが、ポストの後ろから村上千秋に抑えられ、身動きができなくなった。
「千春、さあ遠慮なくやりな」
千秋に言われるまでもなく、千春はめぐみの流血している額をかかとの部分で踏みにじった。
「ぎゃあぁぁーーー!!」
あまりの痛さにめぐみは悲鳴を上げた。
「ほら、もっと泣きな」
千春は今度はめぐみの頭を抱えると、傷口をロープに擦り付け、そのままリング上を一周した。
「ああぁぁぁーーー!!うあぁぁぁーーー!!」
摩擦の熱による焼けるような痛みにめぐみは悲鳴をあげ続けた。
「いい悲鳴だね。それでこそやりがいがあるってものよ」
千春は笑みを浮かべながら、めぐみを起こし、ハンマーブローで叩き付けた。
それから5分間、千春はめぐみをボディスラムで投げ、足にニードロップ、起き上がろうとするとサッカーボールキック、ロープに振って千秋が抑えてからのラリアットやニーリフトなど、まさに一方的な攻撃が続いた。
千春の猛攻にめぐみは動く力もなく、リング上に大の字になっていた。
「めぐみ、がんばるんだ!」
秀男は悲痛な思いで撮影しながら、めぐみを応援していた。
「そろそろ終わらせてやるよ」
千春はそういうとチェーンを取り出し、めぐみの首に巻くと、めぐみをリング外に出し、首吊り状態にして締め上げた。
「が・・・・・・ぐ・・・・・・」
首吊りの苦しさにめぐみはうめき声を上げながらも足を動かし、リング上に戻ろうとした。
「ほら!とっとと落ちちまいな!」
そう言いながら千秋がめぐみの足を押さえ、下に引っ張った。
「があぁぁぁぁ・・・・・・」
姉妹の連携の反則に、めぐみは意識を失った。
試合は千春の反則負けで終わったが、めぐみはセコンドの先輩たちに抱えられ、控え室へ運ばれていった。
「めぐみ!」
秀男は撮影するのも忘れ、めぐみが運ばれた控え室に向かった。
そして、秀男が控え室の前に来たとき、頭に包帯を巻いためぐみが部屋から出てきた。
「めぐみ、傷は大丈夫か?」
心配そうに話しかける秀男に対し、めぐみは
「大丈夫よ。レスラーだったらこれくらい覚悟していたし。それより秀、撮影はどうしたの?」
と逆に聞き返してきた。
「お前が心配ですぐ来たんだよ」
「なに考えてんのよ!あんたジャーナリストでしょ!あたしの心配よりも撮影の心配しなさいよ!」
そう言いながらセコンドに着きにいくめぐみに秀男は
(めぐみに言われちまうとは、俺もまだまだだな)
と思いながらも撮影に戻っていった。
秀男たちが戻ってみると、「村上千秋vs結城千種」の試合は終盤に差し掛かっていた。
リング上では額から血を流した千種がコーナーに逆さに貼り付けられ、千秋は千種の口に足を突っ込んでアピールしていた。
「よ〜し、ここいらでそろそろトドメといくか」
千秋はそう言うと千種をロープの外に出し、スリーパーを極め、宙吊り状態にした。
「が・・・・・・く・・・・・・」
千種は顔を真っ赤にしながら苦しんでいた。
「ほら、あいつみたいに締め落としてやるよ」
千春は千種の足を押さえて引っ張り、千種を首吊り地獄にした。
ここで試合終了(千秋の反則負け)のゴングがなったが、二人は千種を話す気がなかった。
「もう許さない!」
村上姉妹のやりたい放題にめぐみは怒りを爆発させた。
そして千種の足を押さえている千春の背後から後頭部にハイキックをお見舞いした。
「ぐは!何しやがる!」
千種を離した千春はめぐみに襲いかかろうとしたが、他の選手たちに押えられた。
しかし怒りは納まらず、二人は口論していた。
「おい新人!あたしたちにたてつくとどうなるか思い知らせてやるよ!二人まとめてな!」
「上等じゃない!やれるものならやってみなさいよ!」
その結果、最終戦で「村上姉妹vs武藤めぐみ、結城千種」の試合が組まれることとなった。
後日、それを知った秀男はめぐみと千種とそのことについて話し合った。
「めぐみ、お前な〜、どうするんだよ。」
「どうするって、やられたままじゃ悔しいし、勝つつもりで戦うしかないでしょ!」
「そうじゃなくて!千種を巻き込んだことについてだ!」
「そ・・・・・・それは・・・・・・」
「いいのよ秀男ちゃん。私うれしいのよ。めぐみが助けてくれなかったら、私どうなっていたか分からなかったんだし」
「千種・・・・・・」
「だからめぐみ、一緒にがんばって勝ちましょう」
「そうね。絶対にあいつらに勝つんだから!」
そう言って張り切る二人を見て、秀男は
(心配して損した。でも、がんばれよ)
と思った。

6 タッグマッチ

それから二人はタッグの練習を積極的に行った。
「連携を良くするには一緒に行動するのが一番」
という秀男のアドバイスのもと、二人は練習以外でも一緒に行動を共にするようになった。
行動が合わずに喧嘩することも多かったが、もともと相性が良かったうえに、秀男の励ましなどもあって、仲直りは簡単だった。
そして、いよいよ決戦の時は来た。
「千種、絶対に勝とうね」
「めぐみ、がんばろうね」
二人はそういうとリング上に向かった。
「二人とも、がんばるんだぞ」
秀男はそう言いながら、撮影を始めた。
リング上では村上姉妹とめぐみ・千種が睨み合っていた。
そして、お互いそれぞれのコーナーに戻ろうと背を向けた時、村上姉妹は振り返り、めぐみと千種にドロップキックをお見舞いした。
「「きゃっ!卑怯じゃない」」
二人は村上姉妹に掴み掛かり、混戦の中、試合開始のゴングがなった。
最初はめぐみvs千秋になり、二人はリング上で組み合った。
「あの時の反則のお礼させてもらうからね」
めぐみは千秋をアームホイップで投げ飛ばし、起き上がろうとしたところをすかさず低空ドロップキックで追撃した。
「ぐあ!」
「まだまだよ」
めぐみは千秋をロープに振ると、戻ってきたところにソバットを当て、ひるんだ千秋をボディスラムで叩き付けた。
「めぐみ、その調子よ」
千種の応援に答えるように、めぐみはヒップドロップで千秋を追撃すると、足を取って逆エビ固めを極めた。
「ぐ・・・・・・このやろ・・・・・・」
千秋は懸命にロープにより、ブレイクした。
めぐみがブレイクを確認して技を解いた時、千春はめぐみの後頭部にドロップキックをお見舞いした。
「ぐは!」
めぐみは頭を押えてリングに倒れ、その隙に千秋は千春とタッチした。
「千秋のお礼をたっぷりさせてもらうからね」
千春はめぐみの頭や腹、足にストンピングをお見舞いした。
「めぐみ!タッチ!タッチ!」
千種はめぐみにタッチするよう乗り出したが、めぐみはストンピングを受け続け、それどころではなかった。
「千秋、あれをやるか」
「わかったよ千春」
千春はめぐみを起こして立たせると、リングに入ってきた千秋とそれぞれ逆方向のロープに走り、反動を利用してのサンドイッチラリアットをお見舞いした。
「がはっ!」
めぐみはよけることができずにサンドイッチラリラットを食らい、再びリングに倒れた。
千春は今度は千秋とともにめぐみにストンピングを食らわした。
「もう許さない!」
さすがに怒った千種はリングに入ると、二人にラリアットを浴びせ、その隙にめぐみを自コーナーに連れて行き、タッチした。
「めぐみ、後はあたしがやるから休んでて」
千種はロープにもたれかかるのがやっとのめぐみにそういうと、千春に向かってドロップキックを見舞った。
「ぐあ!」
レフェリーの注意に怒っていた千春は突然の攻撃にダウンした。
「よくもめぐみをあんな目に!許さないんだから!」
千種は倒れた千春にエルボードロップをお見舞いすると、すかさず千春を俯けにし、キャメルクラッチを極めた。
「ぐあぁぁぁ・・・・・・」
千春は苦しみながらもロープににじみよろうとした。
「まだまだ!」
それに気づいた千種は千春の腕を抱え込み、動けなくしてからさらに腰を反らせた。
千春の体は反り上げられ、見上げると見下ろした千種と目が合うくらい曲げられた。
「何やってんだよ千春!」
「千種危ない!」
見かねた千秋がリングに入り、千種に攻撃しようとしたその時、めぐみのドロップキックが千秋に炸裂した。
「めぐみ!休んでないとだめじゃない!」
「大丈夫よ!あんなんでへばってなんかいられないわよ!」
そう言うめぐみだが、足元はふらついており、ダメージはかなりのものだったことが伺われた。
「ちっ!まずはあんたから始末してやるよ!」
千秋はめぐみを場外に放り出すと、自らも場外に降り、めぐみをコーナーに叩き付けた。
「めぐみ!」
それに気づいた千種は技を解き、場外に行こうとした。
「お前の相手はこっちだよ!」
千春は腰を押さえながらも立ち上がり、千種の背中にエルボーをお見舞いした。
「ぐあ!」
「いいよ千春。さあて、こっちはそろそろ止めと行くか」
千秋はそう言いながら実況席からテーブルを奪い取ると、テーブルに上がり、めぐみを抱えあげると、パイルドライバーでめぐみを叩き付けた。
「ぐあぁぁー!」
めぐみはテーブルに叩き付けられ、その衝撃でテーブルは割れ、めぐみは意識を失い大の字で倒れた。
「めぐみー!!」
千種は千春をブレーンバスターで投げるとめぐみのもとへ駆け寄ろうとしたが、リング上に入ってきた千秋にイスで叩き付けられた。
「きゃあぁ!」
千種はイスを顔面に受け、額から血が流れた。
「千秋!いい加減にしないと・・・・・・」
「どうなるんだって!」
千秋は注意しようとしたレフェリーにもイスをお見舞いし、レフェリーを失神させた。
「「さあて、たっぷりと痛めつけてあげるからね」」
村上姉妹はそう言うと、千種に襲い掛かった。

7 めぐみと千種 大逆転

千春は千種を押さえると、千秋はイスで千種の体を滅多打ちにした。
「きゃああぁぁぁー!!」
村上姉妹の反則攻撃に千種は悲鳴を上げた。
「「ほらほら、まだまだ行くよ!」」
村上姉妹は不敵な笑みを浮かべながら、千種を攻め立てた。
反則から始まり、Wブレーンバスター、スクラップバスターからのギロチンドロップ、W股裂き、Wアトミックドロップと、さまざまな合体技を受け、千種は力なく倒れた。
「「さあて、これでトドメといこうかしら」」
二人はそう言うと、千秋は千種の頭、千春は足のほうに行き、それぞれ首四の字、足四の字を極め、千種を締め上げた。
「うあぁぁぁぁー・・・・・・」
千種は複合関節技に悲鳴を上げるが、ロープに動くことも出来ず、耐えるしかなかった。
「う・・・・・・ここは・・・・・・確か・・・・・・」
ようやく意識を回復しためぐみがリング上を見ると、村上姉妹に締め上げられている千種を見た。
「あいつら・・・・・・許さない!」
めぐみは怒り、その場にあったイスを使おうとした。
「めぐみ、だめだ!」
秀男は思わず撮影を忘れ叫んでしまった。
「え?秀・・・・・・」
めぐみはその声を聞き、秀男を見た。
そして、しばらく見つめ合った後、めぐみは秀男の言いたいことが分かり、イスを置いた。
「反則には正当で勝つんだから!」
めぐみはそう自分に言い聞かせると、リングに飛び上がり、千種を助けに向かった。
「ち!もう目を覚ましやがった!」
千春は足四の字を解くと、イスを持ってめぐみに走ってきた。
「そう何度も反則攻撃を食らうか!」
めぐみは千春がイスを振り下ろす前に、カウンターのミドルキックを千春の腹に打ち込んだ。
「ぐは!」
千春が腹を押さえて悶絶している間に、めぐみは千秋に低空ドロップキックをお見舞いした。
「ぎゃ!」
たまらず千秋は首四の字を外した。
「ごほ!げほ!・・・・・・めぐみ、ありがとう」
「お礼なんかいいわよ。千種、一気にけりを着けるわよ!」
二人はそう言いながら反撃を開始した。
まず千秋をWブレーンバスターで投げると、今度は千春を起こして立たせると、それぞれロープに走った。
「「行けーーー!!」
千種は後ろからラリアット、めぐみは前からジャンプしてからのレッグラリアットでのサンドイッチラリアットで攻撃した。
「がああぁ!」
千春は合体技を受け、再び倒れた。
「調子に乗るなー!」
千秋がイスを持って二人に迫ってきた。
「させるかー!」
めぐみはイス目掛けてフライングニールキックを浴びせた。
千秋はイスごとフライングニールキックを受け、リングに叩き付けられた。
「千種、トドメを刺すわよ」
「分かったわ、でもその前に」
千種はレフェリーが意識を取り戻したのを確認すると、めぐみにタッチし、主導権を与えた。
「よし、いくわよ千種!」
「OKめぐみ!」
めぐみがコーナーポストに上ると、千種は千春を反対のコーナーポストに載せ、そのまま雪崩式バックドロップで投げ飛ばした。
「今よめぐみ!」
「てやあーーー!!」
めぐみはコーナーから飛び、フライングボディプレスで千春に覆い被さった。
「がはあぁ!」
千春は衝撃に悲鳴を上げた。
そしてそのままカウントが入り、3カウントが決まった。
「「やったーーー!!」」
二人は勝利に喜び、思わず抱き合った。
「くそ、次は覚えてろよ!」
「今度はもっと痛い目に合わせてやるからな!」
そう言いながら村上姉妹はそそくさと控え室に戻っていった。
(あいつら、乱闘すると思ったんだけど、意外と潔いんだな・・・・・・)
秀男はそう思いながらも、勝利を喜んでるめぐみと千種を撮り続けた。
後日、秀男の写真はプロレス雑誌に掲載され、秀男はめぐみと千種と一緒にその雑誌を見ていた。
「あたしたちこんな風になってたんだ〜」
「秀、すごいじゃない」
「何言ってんだよ、めぐみたちのおかげだよ」
3人は楽しく騒いでいた。
ふと、秀男は疑問に思ってしまった。
「そういえば、二人ともこれからタッグでもやっていくつもりか?」
「え?あたしは・・・・・・組めるんだったら組んでいきたいけど・・・・・・今はシングルで頑張っていきたいです」
「あたしは千種がそういうんならそれでもいいけど」
どうやら2人はまだ正式にタッグを組もうとは思っていないようである。
「そうか、めぐちぐは正式タッグとしてはまだ結成せず、か」
秀男の言葉を聞いたとき、めぐみはいやな予感がした。
「秀、その・・・・・・めぐちぐって・・・・・・?」
「ん、お前たちのコンビ名だけど?」
「あんた何勝手にかっこ悪い名前付けてんのよ!」
「めぐちぐか・・・・・・秀男ちゃん、いい名前ありがとう」
「千種、勝手に納得するなー!!秀、コンビ名を撤回しろー!!」
喜ぶ千種とは正反対に、めぐみは怒りながら秀男にコブラツイストを掛けた。
「いてて、ギブギブ・・・・・・」
「撤回するまで外さないからねー!!」
その後、めぐみは千種に押さえられるまで、秀男に関節技を掛け続けた。
しかし、めぐみの願いむなしく、「めぐちぐ」は2人のコンビ名として定着していくのであった。