現金主義での記帳

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現金主義での記帳

青色申告者は、基本的には複式簿記のルールにより行われ、仕訳帳、総勘定元帳を作成した上で、貸借対照表及び損益計算書を作成します。
しかし、その年の前前年分の不動産所得の金額及び事業所得の金額の合計額が300万円以下の者は、総収入金額や必要経費を現実に入金したり支払った時に記帳することができるとされています(現金主義)。

 

現金主義での記帳方法

現金主義での計算は、次のとおりとなります。
不動産所得の金額及び事業所得の金額の計算上総収入金額に算入すべき金額は、棚卸資産の自家消費の場合の総収入金額の算定等の規定を除き、その年において業務により実際に収入した金額とします。
また、これに対応する必要経費の金額は、償却費並びに資産損失を除き、その年において不動産所得又は事業所得を得るために直接支出した費用の額及びその年においてこれらの所得を生ずべき業務について支出した費用の額とします。

 

また、現金主義での記帳においても帳簿の整備が必要となります。
事業所得(又は、不動産所得、山林所得)の金額が正確に計算できるように、必要な帳簿を備え、その取引を一定のルールにより、整然と、かつ明瞭に記録することで行います。要するに、各所得金額を計算できるような帳簿を整備し、その帳簿に規定された記載事項を記載します。

 

事業所得(一般)の帳簿整備及び記載ルール
(大蔵省告示第112号:昭和42年8月31日)

区分 記載事項 備考 
現金出納の関連 ①現金取引の年月日

②事由
③出納先
④金額
⑤日々の残高
(注)現金以外の収入、支出及び家事消費等についても現金の出納に準じて記載するものとする。

①少額な取引については、その科目ごとに、日々のの合計金額のみを一括記載することができる。

②棚卸資産の家事消費等については、年末において、消費等をしたものの種類別に、その合計金額を見積もり、当該合計金額のみを一括記載することができる。

減価償却資産の関連 その資産のする種類ごとに、

①それぞれその取得又は支出の年月日
②取得又は支出の相手方
③数量
④取得価額
⑤支出金額
⑥年初の償却後の価額
⑦その他の取引の年月日、事由、相手方、金額

①年末において、その年中の取引を一括記載することができる。

 

現金主義での記帳の要件

現金主義での記帳方法を採用する場合、現金主義の適用を受けようとする年の3月15日までに、『現金主義による所得計算の特例を受けることの届出書』を所轄税務署に提出しなければならないとされています。
また、はじめて青色申告の承認を受ける場合は、現金主義の適用を受けようとする年の3月15日までに、『所得税の青色申告承認申請書(兼)現金主義の所得計算による旨の届出書』を所轄税務署に提出しなければならないとされています。
一度現金主義による記帳を取りやめた者が再度適用を受けようとする場合は、1月31日までに『再び現金主義による所得計算の特例の適用を受けることの承認申請書』を所轄税務署に提出することになっています。

 

現金主義での記帳の効果

現金主義での記帳方法を採用する場合、複式簿記による記帳の方法によらず、所得計算のみ行えば良いことになっています。これによると現金取引関連の帳簿を整備すればよいため、個人事業者は現金主義による記帳を選択し、事務負担を大幅に軽減することが可能となります。また、現金主義での記帳を選択した場合、簡易帳簿での記帳と異なり、決算時に棚卸資産の棚卸しを行う必要がない点にもメリットがあります。
簡易帳簿での記帳はこちら‥

 

また、青色申告者には青色申告特別控除の恩典が用意されていますが、現金主義による記帳を行った場合でも、10万円の青色申告特別控除が認められています(通常の青色申告者には、65万円の青色申告特別控除が認められています。)。

 

帳簿の保存期間

青色申告者は、次に掲げる帳簿及び書類を整理し、7年間(③の書類のうち、現金預金取引等関係書類に該当する書類以外のものにあつては、5年間)、事業者の住所地、居所地又は事業に係る事務所、事業所等の所在地に保存しなければならない。

 

①仕訳帳、総勘定元帳、並びに当該青色申告者の資産、負債及び資本に影響を及ぼす一切の取引に関して作成された帳簿
②損益計算書並びに計算、整理又は決算に関する書類
③取引に関する注文書、契約書、送り状、領収書、見積書その他これらに準ずる書類等

 

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