固定資産

固定資産 【簿記3級講義 第9講】

MENU

【簿記3級講義 第9講】 固定資産

1、固定資産の意義と分類

固定資産とは、企業等が事業に使用する目的で長期的に保有する資産のことを言います。

 

これに対して、現金、預金、受取手形、売掛金、商品等は、支払い手段に使用されたり、一年以内に現金化される資産であり、流動資産と言われています。

 

固定資産は、さらに有形固定資産、無形固定資産、投資その他の資産の3つに区分されますが、3級の範囲は有形固定資産のみとなっています。

 

有形固定資産に分類される資産は下記のもので、物理的に実態を有する資産が分類されます。

 

①建物及び付属設備-店舗、事務所及びそれに付属する資産など
②構築物-弊、坑道、門など
③機械及び装置-コンベヤー、工作機械など
④船舶及び水上運搬具-船など
⑤車両運搬具-トラック、乗用車、オートバイなど
⑥工具、器具及び備品-机、椅子、事務機器など
⑦土地-店舗、事務所の敷地など

 

2、取得と売却

上記1で示した有形固定資産を取得した場合、それぞれの勘定で処理する。

 

処理する金額は、当該資産の取得に要した取得原価を基にしますが、この取得原価には購入価額に仲介手数料、引取運賃等の取得に要する費用を含めた価額と言うことになります。

 

次に、後日当該資産を売却した場合、当該資産に付されている帳簿価額と売却価額との差額を固定資産売却益(収益)又は固定資産売却損(費用)として処理します。

 

ここで注意すべき点は、固定資産に付されている帳簿価額ですが、この帳簿価額は取得原価から減価償却累計額を控除した金額で、減価償却累計額の記帳方法の違いによって変わることはありません。

 

以下に、直接法により減価償却累計額を記帳した場合の有形固定資産の売却の仕訳を記載します。

 

① 帳簿価額が売却価額より小さい場合

 

当座預金     11,000円 / 工具器具備品    10,000円
               / 固定資産売却益    1,000円

 

② 帳簿価額が売却価額より大きい場合

 

当座預金     9,800円 / 工具器具備品     10,000円
固定資産売却損  200円 /

 

以下に、同じ取引を間接法により減価償却累計額を記帳した場合の仕訳を記載しますが、固定資産売却益又は売却益の金額が直接法によった場合と変わりにないことが確認できます。

 

① 帳簿価額が売却価額より小さい場合

 

当座預金     11,000円 / 工具器具備品    19,000円
減価償却累計額   9,000円 / 固定資産売却益    1,000円

 

② 帳簿価額が売却価額より大きい場合

 

当座預金     9,800円 / 工具器具備品     19,000円
減価償却累計額 9,000円 /
固定資産売却損  200円 /

 

3、減価償却

有形固定資産は、資産の使用又は時の経過によりその価値が減少しますが、その価値の減少分を費用として計上するために概ね決算期末に減価償却という手続きを行います。

 

水道光熱費や消耗品費など短期的に消費される費用については、一括で費用計上することにより費用処理することになりますが、有形固定資産は長期的に使用することを目的として保有しているものですから、一括で費用処理することなく、減価償却の手続きにより使用期間にわたって減価償却費として費用化していきます。

 

減価償却

 

減価償却の計算は、下記の方法により行います。

 

①定額法
②定率法
③級数法
④生産高比例法

 

ここでは、①の定額法については勉強しますが、定額法は下記の計算式により減価償却費を計算します。

 

  減価償却費 = 取得原価-残存価額 / 耐用年数

 

(注) 耐用年数=固定資産の種類ごとに定められている見積もり使用可能期間
残存価額=固定資産が耐用年数を経過した時の見積もり処分価額

 

減価償却費の額の計算が済めば、次は減価償却の仕訳の作成の仕方です。
減価償却費の記帳方法には、直接法と間接法の2通りがあります。

 

直接法とは、減価償却費を減価償却の対象となった資産の帳簿価額を直接減額する方法です。
仕訳の具体例を示すと下記の通りとなります。

 

減価償却費   10,000円 / 工具器具備品   10,000円

 

次に、間接法とは、減価償却費を減価償却の対象となった資産の帳簿価額から直接減額することなく、減価償却累計額を貸方に計上し、間接的に資産の帳簿価額を減額する方法です。
仕訳の具体例を示すと下記の通りとなります。

 

減価償却費   10,000円 / 減価償却累計額   10,000円

 

間接法の場合は、各資産の勘定残高が帳簿価額にはならず、各資産勘定の借方残高から減価償却累計額勘定の貸方残高を控除した金額が各資産の帳簿価額になります。

 

4、資本的支出と収益的支出

有形固定資産を取得した後、その有形固定資産に関連して金銭を支出した場合、その支出がどのような支出であったかにより、その支出は資本的支出と収益的支出に区分されます。

 

まず、その支出が支出の対象となった資産の価値の増加させ、又は耐用年数を延長させる効果があるものである場合、その支出は資本的支出として区分され、当該資産の取得原価の増加(資産)として処理されます。

 

次に、その支出が、通常予定されている程度の修理保守のためのものである場合、収益的支出として区分され、修繕費(費用)として処理されます。

 

これは、資本的支出であれば資産自体の価値を高めることになるため、貸借対照表の資産の価額を増加させるような処理になり、収益的支出は資産自体の価値を高めるに至らないような維持コストであるためその期間の費用として処理することになるためです。

 

平野公認会計士事務所 /大阪府大阪市住之江区粉浜1-27-3 リーアートビル201

平野公認会計士・税理士事務所 /大阪府大阪市西成区玉出中2-13-32-501

(TEL)06-6569-9555 (FAX)06-6569-9445

公認会計士登録番号 第20835号  税理士登録番号 第114767号

重点対応地域:大阪市 阿倍野、住吉、住之江、西成、難波