売掛金と買掛金

売掛金と買掛金 【簿記3級講義 第6講】

MENU

【簿記3級講義 第6講】 売掛金と買掛金

1、売掛金と買掛金の意義

簿記上使用する売掛金とは、商品等を掛けで売上げた時の未入金額(債権)のことを言います。これに対して、買掛金とは、商品等を掛けで仕入れた時の未払金額(債務)のことを言います。

 

この売掛金を処理する勘定科目が売掛金勘定(資産)であり、買掛金を処理するのが買掛金勘定(負債)です。

 

ここで注意すべきなのは、売掛金、買掛金の処理勘定を決定する上で、『掛け』で売上げ又は仕入れたという言葉に従い、売掛金、買掛金の勘定科目を選択するのではありません。
『商品等』を売上げた時の未入金額が売掛金であり、商品等を仕入れた時の未払金額が買掛金になります。

 

つまり、何を売り渡したか何を購入したかによって、売掛金又は買掛金(商品等の売り買い)と未収金又は未払金(その他の物品売り買い)を使い分けます。
売掛金 ⇒ 商品、製品、半製品等の売上に係る未入金額
未収金 ⇒ 備品、車両等、上記以外の物品の売り渡しに係る未入金額
買掛金 ⇒ 商品、半製品、材料等の仕入に係る未払金額
未払金 ⇒ 備品、車両等、上記以外の物品の購入又は人件費、経費の消費に係る未払金額

 

2、補助元帳と人名勘定

会社等が複数の取引先を保有する場合、これらの取引先に対する掛け取引を売掛金勘定で処理すると、売掛金の総額は把握できても各取引先ごとの債権額は把握できません。
そこで、各取引先の取引先名等を勘定科目として設定して処理することにより各取引先ごとの債権残高を把握する方法が採られることがあります。

 

この取引先名等を用いて設定した勘定科目のことを人名勘定と言います。

 

通常は、人名勘定は総勘定元帳上に設定するのではなく、売掛金、買掛金の補助元帳として用います。

 

このように売掛金、買掛金の補助元帳として人名勘定を設けることにより、総勘定元帳への記入と人名勘定への記入の2重管理となりますが、取引先(又は仕入先)ごとの残高明細を示したり、詳細な取引内容を示すことにより債権管理(又は債務管理)に役立ちます。

 

3、総勘定元帳と補助元帳

総勘定元帳の売掛金、買掛金と補助元帳の人名勘定との関係は大区分と小区分の関係にあります。

 

総勘定元帳は主要簿であり、財務諸表作成のために必須の帳簿であるに対して、補助元帳は主要簿では把握しきれない各社ごとの残高内訳とその詳細な取引内容を把握するための管理目的で設置された帳簿です。簡単に言うと、主要簿である総勘定元帳の補助的関係にあるのが補助元帳です。

 

また、総勘定元帳の売掛金勘定に記載される取引は補助元帳のどれかの人名勘定に記載されます。その結果、総勘定元帳の売掛金勘定の借方合計又は貸方合計は、売掛金の人名勘定の各人名勘定の借方合計又は貸方合計の総額が一致します。

 

この補助元帳のことを、売掛金元帳(又は得意先元帳)、買掛金元帳(又は仕入先元帳)と言います。

 

人名勘定

 

このように、補助簿の勘定を集合した内容をもつこの売掛金勘定及び買掛金勘定のことを統制勘定といいます。

 

また、売掛金の人名勘定ごとへの転記が正確に行われているかどうか検証するために、一定期間ごとに売掛金勘定又は買掛金勘定の残高と各人名勘定の合計残高の一致を確認する必要があります。

 

その確認帳簿を売掛金明細表、買掛金明細表と言います。

 

売掛金明細表

 

4、貸倒損失、貸倒引当金

売掛金などの債権が取引先の倒産などにより当該債権が回収できなくなるときがあります。
それを貸倒れと言います。

 

売掛金などが貸倒れた時は、その金額だけ売掛金を減少させ、同額を貸倒損失勘定(費用)の借方で処理します。

 

貸倒損失(費用) ××円 / 売掛金      ××円

 

なお、貸倒損失を貸倒引当金繰入と併せて、貸倒償却と言う勘定で処理することがあります。
次に、この貸倒損失の発生に備えるため、決算において貸倒損失を見積もることがあります。

 

これを貸倒引当金と言います。

 

この貸倒引当金は、決算に際し、将来貸倒損失の発生が見込まれ、その発生原因である売掛金が当期に発生しており、過去実績等により合理的に貸倒見積額を算定できる場合、当期の費用として計上するために設定されます。

 

つまり、将来の貸倒れによる損失を当期において見積もることができるなら、決算時に当期の損失として費用計上し、その損失を見積もることができないなら貸し倒れの発生時期に貸倒損失として費用計上します。

 

① 決算時の処理

 

貸倒引当金繰入(費用) ××円 / 貸倒引当金      ××円

 

② 翌期の貸倒時の処理

 

貸倒引当金 ××円 / 売掛金      ××円

 

③ 貸倒見積額を超過して貸倒した時の処理

 

貸倒引当金 ××円 / 売掛金      ××円
貸倒損失   ××円 /

 

これは、貸倒見積もりができていないので、貸倒引当金を設定せずに売掛金が貸倒れたのと同様の処理になります。

 

なお、毎決算時に貸倒引当金を設定することになりますが、決算時において前期に計上して残っている貸倒引当金がある場合、当期に見積もった貸倒引当金の金額との差額だけを計上することになります。

 

また、逆に当期に見積もった貸倒引当金の金額を超過する金額が貸倒引当金として帳簿上残っている場合、差額分の計上取り崩しを行うことになります。

 

貸倒見積額を貸倒引当金として設定すればよいので、まず貸倒見積額を算定し、その金額になるように貸倒引当金を増減させます。

 

貸倒引当金 ××円 / 貸倒引当金戻入 ××円

 

5、償却債権取立益

過年度に間違えて貸倒処理してしまった売掛金額が回収された場合、売掛金の減少として処理しようにも売掛金残高がないので、償却債権取立益勘定(収益)の貸方で処理します。

 

結果、過年度に処理した貸倒損失又は貸倒引当金繰入の費用と今期に計上される償却債権取立益とが相殺され、実際の貸倒額に損益が修正されることになります。

 

そのため償却債権取立益は前期損益修正としての性格を有することになります。

 

現金 ××円 / 償却債権取立益 ××円

 

平野公認会計士事務所 /大阪府大阪市住之江区粉浜1-27-3 リーアートビル201

平野公認会計士・税理士事務所 /大阪府大阪市西成区玉出中2-13-32-501

(TEL)06-6569-9555 (FAX)06-6569-9445

公認会計士登録番号 第20835号  税理士登録番号 第114767号

重点対応地域:大阪市 阿倍野、住吉、住之江、西成、難波