本支店会計

本支店会計 【簿記2級講義 第8講】

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【簿記2級講義 第8講】 本支店会計

1、本支店間の取引の処理

 

① 本支店会計

 

企業が本店の他に各地に支店を有している場合に、本店と支店のそれぞれの損益を正確に認識するため、本店と支店の取引を別個に把握し、別個に帳簿記帳する必要があります。

 

支店独立会計制度は、本店の会計とは独立した支店を会計単位とし、支店のすべての取引を支店で独自の帳簿を設けて記録し、決算・整理する方法です。

 

この方法のもとでは、

 

ア、支店は本店に対する債権債務は本店勘定を設けて記録します。
イ、本店は支店に対する債権債務は支店勘定を設けて記録します。

 

<例>支店独立会計制度を導入するにあたり、本店の資産を一部支店へ移管した場合の仕訳

 

(本店)
支店     ×××     /現金     ×××
              /商品     ×××
              /備品     ×××

 

(支店)
現金     ×××     /本店     ×××
商品     ×××
備品     ×××

 

イメージとしては、本店は支店に対して貸付金を計上し、支店は本店に対して借入金を計上しています。ただ、貸付金、借入金という勘定科目ではなく、本店、支店という勘定科目を一括して使用します。

 

② 本支店間の取引

 

本支店間の取引には、送金取引、商品の積送取引、他店の債権債務を決済する取引、他店の収益費用の立替取引などがあります。

 

このような取引により生じる貸借関係を、本店では支店勘定に、支店では本店勘定に記入します。

 

本支店間で商品を積送する場合の価格を振替価格といい、A)仕入原価による方法とB)原価に一定の利益を加算した金額による方法とがあります。

 

A)の方法による場合、商品を積送する側は原価を仕入勘定の貸方に記入し、商品を受け入れた側は仕入勘定の借方に記入します。

 

B)の方法による場合、本店、支店それぞれで利益を計上することになるため、商品を積送する側は売上勘定に記入し、商品を受け入れた側は仕入勘定に記入します。但し、本支店間の取引は内部取引なので、外部の企業と区別するために、積送する側は支店へ売上勘定(本店が支店に積送する場合)に記入し、受け入れた側は本店より仕入勘定に記入します。

 

③ 支店相互間の取引

 

支店が2つ以上ある場合に、支店相互間の取引を処理するのに支店分散計算制度と本店集中計算制度の2つの方法があります。

 

支店分散計算制度は、支店相互間の取引によって生じた貸借関係を、各支店で相手の支店名をつけた支店勘定を設け記録する方法です。

 

この方法によると、本店は支店相互間の取引を把握しえないため、支店の活動を管理する上で難点があります。加えて本店と各支店における支店勘定と本店勘定との照合が難しくなります。

 

本店集中計算制度は、支店分散計算制度の難点を解決するために、支店相互間の取引を各支店は、本店と取引したとみなして処理する方法です。

 

この方法によると、各支店は相手の支店との貸借関係を本店勘定に記入し、本店では支店相互間の取引の報告を受けた時に、各支店名をつけた支店勘定に記入します。

 

<例>A支店はB支店に現金50,000円を送金した場合の仕訳

 

ア、支店分散計算制度

 

(A支店)
B支店 50,000      /現金  50,000

 

(B支店)
現金  50,000      /A支店 50,000

 

(本店)
仕訳なし

 

イ、本店集中計算制度

 

(A支店)
本店  50,000      /現金  50,000

 

(B支店)
現金  50,000      /本店  50,000

 

(本店)
B支店 50,000      /A支店 50,000

 

2、未達事項の整理

本支店間または支店間の取引による債権債務は、本店の支店勘定と支店の本店勘定で記録されるため、この2つの)勘定残高は必ず一致するはずです。

 

しかし、決算日現在での調査でなんらかの原因で本支店間で勘定残高が一致していない場合があります。原因は、取引があったにも関わらず、決算日までに相手に商品現物が到着しなかったか、取引の通知が未達となっていて、本店または別の支店で未記帳になっていることが考えられます。このような取引を未達事項または未達取引といいます。

 

未達事項の整理は、期末に現物が到着したものとして、または通知があったものとして行う。未達事項整理後の本店勘定と支店勘定の残高は必ず一致させます。

 

3、内部利益の除去と本支店合併財務諸表

 

① 内部利益

 

本支店間または支店間の商品の積送取引において、原価に一定の利益を加算した振替価格を用いている場合に、商品を受け入れた本店または支店で決算日までに売れ残れば、その商品に含まれている利益は実現していない内部利益(会社内部で計上してしまった利益)です。この未実現利益を内部利益といい、本支店合併の財務諸表を作成する時には除去しなければなりません。

 

② 内部利益の除去

 

内部利益の除去は、本支店合併時に本店(又は利益を計上した側)で行います。そのため、商品に含まれている内部利益は次のように仕訳します。

 

(当期)
繰延内部利益控除  ×××  /繰延内部利益   ×××

 

(前期)
繰延内部利益     ×××  /繰延内部利益戻入 ×××

 

繰延内部利益控除と繰延内部利益戻入は、本店の損益勘定へ振替えられます。

 

 

本支店合併損益計算書では繰延内部利益戻入は期首商品棚卸高から直接控除し、繰延内部利益控除は期末商品棚卸高から直接控除します。よって、商品棚卸高は内部利益計上前の原価で計算されたものとなります。また、繰延内部利益は貸借対照表の商品から直接控除します。

 

③ 合併財務諸表

 

本店では、企業全体の財政成績及び経営成績を明らかにするため、合併貸借対照表および合併損益計算書といった本支店合併財務諸表を作成します。

 

本支店合併財務諸表の作成手続は、次の通り行います。

 

ア、未達取引の整理記入-本店勘定、支店勘定が一致していることを確認します。
イ、本支店勘定の消去-内部的な勘定は消去します。
ウ、本支店間内部取引高の消去-内部的な取引勘定は消去します。
エ、内部利益の消去-内部取引で発生した内部利益は消去します。

 

④ 内部勘定、内部取引の消去

 

本支店独立会計制度では、本支店間取引で生じた債権債務は本店勘定と支店勘定で処理していますが、外部公表用の財務諸表を作成する際には、これらの企業内部で生じた勘定は消去します。また、本支店間で生じた商品売上や商品仕入も消去することとなります。

 

本支店合併財務諸表の作成手続は、次の通り行います。

 

支店       ×××  /本店   ×××
支店へ売上   ×××  /本店から仕入   ×××

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