株式会社会計

株式会社会計 【簿記2級講義 第6講】

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【簿記2級講義 第6講】 株式会社会計

1、株式会社の純資産(資本)

 

設 立

 

①株式会社の設立

 

イ、設立の手続

 

株式会社の設立には、まず会社設立者である発起人を選定し、①定款の作成、②株式の発行とその引受、出資払込、③設立の登記の手続きが必要です。

 

ロ、定款の作成

 

定款とは、その会社に関する基本事項を定めた文書です。

 

定款には発行可能株式総数を必ず記載しなければなりません。これは会社が発行できる株式の総数で、その範囲内であれば取締役会の決議に基づいていつでも株式を発行することができます。

 

会社の設立にあたっては、原則として発行可能株式数の4分の1以上を発行します。

 

②設立時における資本金の決定

 

イ 資本金の決定原則

 

株式を発行した場合には、株式の払込金額(株主となる者が払い込んだ財産の額)の総額を資本金とするのが原則です。

 

当座預金  ××円   / 資本金  ××円

 

ロ 資本金の決定原則の例外

 

例外として、払込金額の2分の1を超えない額を資本準備金とし、その残りを資本金とすることが認められています。払込金額のうち資本金としない金額は株式払込剰余金と呼ばれ、資本準備金勘定の貸方に記入します。

 

当座預金  ××円    / 資本金    ××円
            / 資本準備金 ××円

 

増 資

 

①増資

 

増資とは、会社の設立後、新たに資本金を増やすことです。

 

増資には、株式を発行して資本金を増やし、会社の純資産も同時に増加する実質的増資と、純資産の構成内容を変更するだけで、純資産の総額は増加しない形式的増資があります。

 

②通常の新株発行による増資

 

新株発行による増資とは、発行可能株式総数のうちまだ発行していない株式を取締役会の決議によって新たに発行し、資本の払込を受けることです。

 

イ、新株式申込証拠金

 

通常の新株発行による増資では、①株式の申込、②株式の割当、③引受、④払込の順で手続きが行われます。

 

株式の払込金に相当する金額を、申込証拠金として払込を受け、払込期日に払込金に充当するのです。申込み証拠金の払込を受けた時は、新株式申込証拠金勘定の貸方に記入しておき、払込期日に申込み証拠金を払込金に充当した時には、新株式申込み証拠金勘定の金額を資本金勘定などに振替えます。

 

当座預金       ××円 / 新株式申込証拠金    ××円
新株式申込証拠金  ××円  / 資本金            ××円

 

ロ、資本金の決定

 

通常の新株発行による増資においても株式の払込金額を資本金とするのが原則ですが、払込金額の2分の1の金額までは資本金としないことが認められています。この場合、資本金としない金額は株式払込剰余金と呼ばれ資本準備金勘定の貸方に記入します。

 

創立費・開業費・株式交付費

 

①創立費

 

イ、意義

 

創立費とは、会社の設立に要した費用(例、定款の作成認証費用、株式の発行費用、事務費用、発起人の報酬、設立登記のための登録免許税など)のことをいいます。創立費を支払ったときは、創立費勘定の借方に記入します。創立費は、繰延資産として処理することが認められています。

 

ロ、償却

 

創立費を資産の金額として計上した場合、その効果の及ぶ期間と認められている会社の設立後5年以内の期間に渡って、残存価格0として定額法により償却しなければなりません。

 

②開業費

 

イ、意義

 

開業費とは、会社の設立後から開業までに特別に要した費用、例えば、土地や建物などの賃借料、広告宣伝費、通信費、交通費、事務用消耗品費、支払利息、従業員の給料、保険料、水道光熱費などをいいます。開業費を支払ったときは、開業費勘定の借方に記入します。繰延資産として計上することが認められています。

 

ロ、償却

 

開業費を資産の金額として計上したときは、開業後5年以内のその効果の及ぶ期間にわたり残存価額0として定額法により償却しなければなりません。

 

③株式交付費

 

イ、意義

 

株式交付費とは、新株の発行等株式の交付に要した費用、例えば株式募集のための広告費、金融機関や証券会社の取扱手数料、株式申込証・目論見書・株券などの印刷費、変更登記のための登録免許税などをいいます。株式交付費を支払ったときは、株式交付費勘定の借方に記入します。繰延資産として計上することが認められています。

 

ロ、償却

 

株式交付費を資産の金額として計上したときは、株式の交付後(新株の発行後)3年以内のその効果の及ぶ期間にわたって、残存価額0として定額法により償却しなければなりません。

 

尚、創立費、開業費、株式交付費などの繰延資産の償却は、決算整理事項として記帳します。

 

剰 余 金

 

1、法定準備金

 

会社法は、債権者保護のため、資本金の他に、さらに2種類の準備金を純資産の部に積み立てることを強制しています。これを法定準備金といいます。法定準備金には資本準備金と利益準備金があります。

 

①資本準備金

 

資本準備金とは、会社の純資産の金額のうち株式の発行など、資本金を増加させる取引があったとき、資本金としなかった部分をいいます。 会社の設立や増資にあたって株式を発行した場合、払込金額の2分の1を超えない額は資本金としないことが認めらます(株式払込剰余金)が、このような株式払込剰余金は資本準備金として積み立てられます。

 

②利益準備金

 

利益準備金とは、会社の純資産の金額のうち、会社法によって積立が強制されているものをいいます。 繰越利益剰余金の処分に際して株主への配当金の支払いを決定したときは、その支出金額の10分の1に相当する金額を、資本準備金との合計額が資本金の4分の1に達するまで利益準備金として純資産の部に積み立てなければなりません。

 

2、任意積立金と繰越利益剰余金

 

①任意積立金

 

会社の純資産の金額のうち、会社の利益の中から株主総会の決議により積み立てた金額で、会社法によって積立が強制されている利益準備金以外のものを、総称して任意積立金といいます。任意積立金には、特定の目的のために積み立てられるもの(減債積立金、中間配当積立金、配当平均積立金、事業拡張積立金、偶発損失積立金など)と目的を特定しないで積み立てられるもの(別途積立金)があります。

 

②繰越利益剰余金

 

イ、意義と計算

 

会社の純資産の金額のうち、会社の計上した利益で、まだ未処分のものは繰越利益剰余金として処理されます。

 

繰越利益剰余金は、その後開催される株主総会において、株主への配当金の支払い、利益準備金や各種の任意積立金の積立とういう形で処分が行われ、残額はそのまま翌期以降に繰り越されます。

 

なお、繰越利益剰余金の金額がマイナスとなる場合には、その後開催される株主総会において、各種の任意積立金などを取り崩してこれを補填し、残額は未処理のまま繰り越されます。

 

ロ、繰越利益剰余金勘定

 

株式会社の簿記では、決算にあたって損益勘定に集計された当期純利益(または当期純損失)の金額は、繰越利益剰余金勘定の貸方(または借方)に振り替えられる。

 

繰越利益剰余金の処分又は処理

 

1、繰越利益剰余金の処分

 

①株主総会における繰越利益剰余金の処分

 

繰越利益剰余金がプラスの金額のときは、株主総会で、その処分の決議(株主への配当、利益準備金の積立、各種の任意積立金の積立)がなされます。

 

②越利益剰余金の処分の記帳

 

繰越利益剰余金の処分が行われたときは、繰越利益剰余金勘定からそれぞれの処分項目の勘定(未払配当金勘定、利益準備金勘定、および各種の任意積立金の勘定)に処分額を振り替える記帳を行います。

 

繰越利益剰余金  ××円   / 未払配当金    ××円
               / 利益準備金    ××円
               / 別途積立金    ××円

 

2、繰越利益剰余金の処理

 

①株主総会における繰越利益剰余金の処理

 

繰越利益剰余金がマイナスの金額のときは、株主総会において、その処理の決議がなされます。一般に、任意積立金などを取り崩して補填するという方法で行われます。

 

②越利益剰余金の処理の記帳

 

繰越利益剰余金の処理が行われたときは、取り崩した勘定の借方に取崩額を記入するとともに、繰越利益剰余金勘定の貸方にその補填額を記入します。

 

なお、補填されなかった繰越利益剰余金のマイナス金額は、繰越利益剰余金の借方残高としてそのまま繰り越されます。

 

会社の合併

 

1、合併の意義と形態

 

会社の合併とは、2社以上の会社が1つの会社に合体することです。会社の合併には、吸収合併と新設合併があります。

 

A社とB社が合併する場合、A社もB社もいったん解散して新しく会社を設立する形態の合併を新設合併といいます。

 

これに対して、B社が解散してA社に吸収される形態の合併を吸収合併といいます。

 

合併した場合、存続会社又は新設会社は消滅会社の資産と負債を包括的に承継し、その対価として株式を発行して消滅会社の株主に交付します。また、株式の交付の他に現金を支払う場合もあります。

 

2、合併の記帳

 

①取得と持分の結合

 

合併の本質の見方は2つあります。1つは、「取得」と呼ばれる見方で、もう1つは、「持分の結合」呼ばれる見方です。

 

A社とB社が合併する場合、A社がB社を支配することを目的として合併することを取得による合併といいます。

 

これに対して、A社とB社が、お互いを支配することを目的としないで、対等な立場で合併することを持分の結合による合併といいます。

 

取得による合併は、パーチェス法と呼ばれる会計処理の方法で処理します。

 

②パーチェス法の会計処理

 

パーチェス法では、消滅会社の資産と負債は合併時の時価の金額で承継されます。また、対価として交付した株式の時価(合併交付金があるときはその合計額)が消滅会社から引き継いだ純資産の金額(時価で評価された資産の総額と負債の総額の差額)を超えるときは、その超過額をのれん(無形固定資産)として資産計上します。

 

なお、対価として発行した株式の時価の金額のうち資本金としない金額は合併差益と呼ばれ、資本準備金勘定又はその他資本剰余金勘定の貸方に記入します。

 

当座預金  ××円   / 買掛金    ××円
売掛金   ××円   / 借入金    ××円
商品     ××円   / 資本金    ××円
のれん   ××円   / 資本準備金 ××円

 

社 債

 

1、社債の発行

 

①社債とその発行

 

株式会社は、経営資金を調達するために社債を発行します。会社や個人など多くの人に買ってもらうこと資金を集めることができます。社債には償還期間が定められ、その期間を通じて一定の利息が支払われます。社債の額面金額は1口¥100とされるのが一般的であり、額面金額よりも低い金額で発行(割引発行)し、利息上乗せ調整することもあります。

 

③社債の発行

 

会社が社債を発行すると、将来その額面金額を返済するという義務を負います。

 

このような社債の返済義務は、発行価額(収入額)にもとづいて、社債勘定の貸方に記入します。

 

2、社債の発行費と社債発行差金

 

①社債発行費

 

イ、意義

 

社債の発行に要した費用(社債募集のための広告費、金融機関や証券会社の取扱手数料、社など)のことを社債発行費といいます。社債発行費を支払ったときは、社債発行費勘定の借方に記入します。

 

ロ、償却

 

社債発行費を資産の金額として計上したときは、その社債の償還期間にわたって、利息法または定額法により償却しなければなりません。

 

②社債発行差金

 

イ、意義

 

社債発行差金とは、社債を割引発行(または打歩発行)したときに生じる社債の額面金額と発行価額の差額のことをいいます。

 

当座預金  ××円   / 社債  ××円

 

ロ、社債勘定への加算処理(または減算処理)-償却原価法

 

社債を割引発行したときに生じる社債発行差金については、その社債の償還期間にわたって、利息法ま又は定額法により計算した金額を、社債勘定に加算(又は減算)するとともに、その加算額(又は減算額)を社債利息勘定の借方(または貸方)に記入します。

 

社債利息  ××円   / 社債  ××円

 

3、利払い

 

社債の利息はあらかじめ定められた契約に従って定期的に(通常は年2回半年分ずつ)支払われます。社債の利息を支払ったときは、支払利息とは区別して特に社債利息勘定の借方に記入します。

 

また、社債の利払日と決算日が異なる場合には、決算にあたって直前の利払日の翌日から決算日までの社債利息を見越し計上するために、未払社債利息勘定を用いて次のような仕訳を行います。

 

社債利息  ××円   / 未払社債利息    ××円

 

4、償還

 

①社債の償還

 

社債の償還とは、すでに発行している社債について、その負債の金額を一定の方法で返済することをいいます。社債の償還には、満期償還(発行した社債を満期日に一括して償還する)と、満期日前償還(発行した社債の全部または一部を満期日以前に償還する)があります。満期前償還の中には、買入償還(1つに証券市場を通じ社債を買い入れて償還する買入償還)があります。

 

②満期償還の記帳

 

満期償還では、社債は額面金額で償還されます。社債を満期償還したときは、社債勘定の借方に額面金額(満期日の帳簿価額)で記入します。なお、割引発行により生じる社債発行差金については、満期日までにその全額が社債勘定に加算され、社債勘定の貸方残高は額面金額に等しくなります。

 

社債利息  ××円    / 社債     ××円
社債     ××円  / 当座預金  ××円

 

社債利息  ××円    / 当座預金  ××円

 

③買入償還の記帳

 

買入償還では、社債はその時点の市場価格で買い入れて償還されます。

 

社債を買入償還したときは、社債勘定の借方に買入償還時の帳簿価額(割引発行の場合には、社債発行差金について、買入償還時までの加算処理を行った後の帳簿価額)で記入します。償還した社債の帳簿価額が社債の買入価額と一致しない場合には、その差額を社債償還益勘定の貸方又は社債償還損勘定の借方に記入し、貸借が一致する形で仕訳されます。

 

社債利息  ××円   / 社債     ××円
社債     ××円   / 当座預金  ××円
社債償還損 ××円   /

 

社債利息  ××円   / 当座預金  ××円

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