特殊商品売買

特殊商品売買 【簿記2級講義 第4講】

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【簿記2級講義 第4講】 特殊商品売買

1、未着品取引

 

①貨物代表証券の受取り

 

遠方の仕入先から商品を輸送する場合、商品の到着前に運送業者から貨物代表証券(貨物引換証又は船荷証券)を受け取ることがあります。これは商品の引換証として機能をもつもので、所有権を証明する証券となっています。

 

簿記上は、貨物代表証券を受け取ったとき、運送中の商品を手許商品と区別するために、未着品(又は未着商品)勘定の借方に記入します。

 

②商品の受取り

 

商品が到着し、貨物代表証券と引換えたときには、原価を未着品勘定から仕入勘定に振り替えます。

 

③未着品の販売

 

買手の所持する貨物代表証券は未着品の所有権を表しているので、買手は貨物代表証券を売却することにより、まだ手許にない未着品を第三者に転売することができます。

 

この場合、簿記上は、売却額を売上勘定(又は未着品売上勘定)の貸方に記入し、その売却した商品の原価は受け取った商品と同様に、未着品勘定から仕入勘定の借方に振り替えます。

 

2、委託販売・受託販売

①委託販売

 

百貨店などの他者に、自己の所有する商品の販売を依頼する販売形態を委託販売といいます。
販売の依頼主を委託者といい、販売を請け負う他者を受託者といいます。
受託者は手数料を受け取って委託者の商品を販売するだけで、そこから生じた損益は委託者に帰属することになります。

 

ア、商品の積送

 

委託者が受託者に送付した商品を積送品というが、積送品の所有権は販売されるまで委託者に帰属します。
委託者はこれを手許商品と区別するために、原価で仕入勘定から積送品勘定に振り替えます。

 

イ、付随費用

 

運賃・荷造費・保険料など発送時に支払った付随費用は、積送品勘定の借方に記入して仕入原価に算入するか、または積送諸掛勘定を設けてその借方に記入します。

 

ウ、積送品の売上

 

積送品は、原則として受託者がその商品を販売したときに売上勘定(又は積送品売上勘定)に計上しますが、販売のつど受託者から売上計算書が送付されている場合は、例外的に売上計算書を受け取ったときに売上勘定に計上することができます。
この場合、売り上げた積送品の原価で積送品勘定から仕入勘定の借方へ再び振り替えるとともに、売上計算書の手取金額を売上勘定の貸方へ記入します。
ただし、手取金額でなく受託者の売上高で売上計上する方法もあります。

 

エ、受託者に対する売掛金・前受金

 

委託販売では委託者は受託者に対して売掛金・前受金が発生します。
売上計算書に記載された手取金は売掛金となり、積送品の貨物代表証券を担保に荷為替を組み、それを銀行で割り引いて現金化した金額は売上代金の前受金となります。

 

売掛金 ××× / 積送品売上 ×××

 

当座預金 ××× / 前受金 ×××
支払利息 ××× /

 

これらの売掛金・前受金を委託販売勘定で処理し、売掛金が生じたときは借方に、前受金が生じたときは貸方に記入する方法もあります。

 

委託販売 ××× / 売上 ×××

 

当座預金 ××× / 委託販売 ×××
支払利息 ××× /

 

②受託販売

 

委託販売を受託者から見ると受託販売になります。
受託者は委託者から商品販売を依頼された場合、商品の所有権やその販売から生じる損益は委託者に帰属することになるので受託者側では売上は生じることはありません。
つまり、受託品は委託者の商品なので、それを受け取っても仕訳がおこりません。

 

受託者側では、販売手数料を受け取るのでこれを販売手数料勘定に計上します。

 

また、受託販売では受託品の引取費用・保管料など委託者が負担すべき諸掛がかかることになりますが、これは委託者に対する立替金となります。
その反面、受託品が売れた場合の売上代金は、委託者に対する預り金となります。これらの立替金・預り金は受託販売勘定で処理します。
受託販売でも販売自体は自己の名で行うので、売上代金を現金で受け取れば現金勘定で、掛で販売すれば売掛金勘定で記帳することになります。

 

3、委託買付・受託買付

 

①委託買付

 

遠方での商品買付に特別のノウハウを有する専門業者に対して、手数料を支払って商品の買付を委託することがありますが、これを委託買付といいます。

 

委託買付に伴って発生する債権債務は委託買付勘定で処理します。
買付委託したときに一部を前払いした買付代金は前払金なので、委託買付勘定の借方記入します。
また、買付計算書を受け取った場合は、買付代金総額(買付代金+請求された諸経費+買付手数料)で仕入を計上し、同時にその金額は買掛金になるので委託買付勘定に貸方記入します。
一部前払いした委託買付勘定の貸方の金額と買付計算書の買付代金総額との差額が残債務ということになります。

 

②受託買付

 

委託買付取引を、買付を委託された専門業者側から見れば、受託買付になります。

 

受託買付に伴って発生する債権債務は受託買付勘定で処理します。 受託時に一部前受けした買付代金は預り金なので、受託買付勘定(又は預り金勘定)に貸方計上します。また、商品買付時や発送時に立て替えた諸経費や買付手数料は、受託買付勘定(又は立替金勘定)に借方計上します。

 

4、割賦販売

 

①販売基準による処理

 

通常の信用販売と同様に、商品を販売したときに売上額を割賦売掛金勘定の借方と割賦売上勘定の貸方に計上する方法です。割賦金を入金した場合、割賦売掛金を減少させることになります。

 

割賦売掛金 ××× / 割賦売上 ×××

 

②回収基準による処理

 

割賦販売では、代金を長期にわたって分割回収するという特徴を考慮して、収益の認識を慎重に遅らせて行うために回収基準の適用が認められています。
回収基準とは、割賦金が入金するつど売上計上する方法であり、対照勘定法と未実現利益控除法の2つの処理方法があります。

 

ア、対照勘定法

 

対照勘定法では、商品を引き渡した時に割賦販売契約勘定の借方と割賦仮売上勘定の貸方に売上金額を計上して、対照勘定による備忘記録を行います。
割賦金が入金するつど、入金額を割賦売上勘定の貸方計上し、対照勘定を同額だけ反対仕訳して相殺し、備忘記録を消去します。

 

割賦販売契約 ××× / 割賦仮売上 ×××

 

普通預金 ××× / 割賦売上 ×××
割賦仮売上 ××× / 割賦販売契約 ×××

 

なお、期末に未回収の割賦金がある場合は、その金額分の商品は未売却となるので、原価を期末商品棚卸高に含めて算定します。

 

イ、未実現利益控除法

 

未実現利益控除法では、商品を引き渡したとき販売基準と同じように売上を計上し、決算時に未回収の割賦金に含まれる利益を未実現利益として売上総利益から控除して次期に利益を繰り延べる方法です。

 

割賦売掛金 ××× / 割賦売上 ×××

 

繰越割賦利益控除 ××× / 繰越割賦利益 ×××

 

5、使用販売・予約販売

 

①使用販売

 

顧客にあらかじめ商品を試用させ、その後顧客が購入する意思を示せば販売し、そうでなければ返品させるという販売形態を試用販売といいます。
試用販売では、試用のために商品を引き渡したときにはまだ販売が成立していないので、顧客が買取意思を表示した時まで待って売上計上します。

 

試用販売の処理には対照勘定法および手許商品と区分する方法があります。

 

ア、対照勘定法

 

試用のために商品を引き渡したときは、試用販売売掛金勘定の借方と使用販売勘定(または試用仮売上勘定)の貸方に売価を記入して対照勘定で備忘記録を行います。
顧客が買取意思を表示した場合は、売上を試用品売上(又は売上))勘定の貸方に計上し、対照勘定を反対仕訳して備忘記録を消去します。

 

イ、手許商品と区分する方法

 

試用品を手許商品と区分して管理するために、試用商品の引渡時に仕入勘定から試用品勘定にその原価を振り替え、買取意思の表示を受けた時に売上を計上します。

 

②予約販売

 

将来の特定期日に商品の引渡またはサービスの提供を行う条件で、一定の予約金を徴収して販売契約を結ぶ販売形態をいいます。
予約金を受け取ったときには、まだ商品を引き渡していないので売上を計上せず、前受金(または予約販売前受金)勘定の貸方に計上しておきます。
商品を引き渡した時に、前受金勘定から売上勘定に振り替えて売上を計上します。

 

貸倒引当金勘定は、売掛金等の債権について回収不能見積額を貸方で表現し、売掛金の借方残高の差引きで売掛金等の実際の回収可能額を評価するという評価勘定であると言われます。
その相手方勘定として貸倒れの見積りに伴って計上される当期の費用は、貸倒引当金繰入勘定(または貸倒引当損勘定、貸倒償却勘定)として処理されます。

 

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