総合問題

総合問題 【簿記2級講義 第25講】

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【簿記2級講義 第25講】 総合問題

1、原価の集計

原価計算を伴う工業簿記の記帳においてまず検討すべきことは、発生原価又は消費原価の集計作業です。

 

簿記2級テストでは、原価の消費データが与えられているので、それに基づいて消費額を計算しますが、その前に、その消費された原価財がどの形態別分類(材料費、労務費、経費)に該当するのか、また製品との関連における分類で直接費に該当するのか間接費に該当するのか把握する必要があります。

 

つまり、下記の図に従い、どの区分に該当するのか仕訳する必要があります。

 

したがって、材料費、労務費、経費にどのような費用が該当するのか、直接費、間接費にどのような費用が該当するのか仕分けることができるようにしておく必要があります。

 

原価要素の分類

 

その次に、消費額の計算を行います。

 

材料費であれば、当月仕入高に月初材料棚卸高と月末材料棚卸高の調整を加味して当月消費高を計算し、労務費であれば、当月支払高に前月末未払賃金給与と当月末未払賃金給与の調整を加味して計算します。これに対して、経費は当月発生額又は消費額を計算します。

 

この発生原価又は消費原価の集計作業は、工業簿記の記帳の前提作業ですので、この段階で正確に処理できない時は、それ以後の処理は必ず間違えてしまう結果となるので、この作業は正確に処理できるようにしておく必要があります。、

 

2、工業簿記の勘定体系と原価差異

工業簿記の記帳体系は、発生した原価を集計するところから始まり、一定の計算ルールに従い、仕掛品、製品、売上原価に計算集計されていきます。

 

要するに、下記の図から左で原価の発生を認識し、その後発生した原価を仕掛品勘定等を通して売上原価の右の方に流れていきます。

 

工業簿記-勘定連絡図

 

原価の発生が川上としたら、売上原価が川下であり、川上から川下に原価の全てが流れていくことになります。

 

途中で、仕掛品、製品として溜まることはあっても、仕掛品は完成により、製品は販売によりいずれ川下の売上原価へと流れていくことになります。

 

これは各勘定が貸借平均することにより、期末残高として残らない場合は右隣の勘定に流れたことになります。

 

しかし、各勘定の貸借が一致しない場合もあります。

 

貸借が一致しない場合として、原価差異が生じる場合がありました。

 

原価差異は、実際原価と予定原価、実際原価と標準原価との差額であり、各勘定の貸借の差額として認識されます。

 

これは、製品原価の早期計算化、事務処理の簡便化又は原価管理のために、原価の流れの途中から予定原価又は標準原価により勘定記入されるために生じるものです。

 

しかし、一旦、原価差異として認識され、原価の流れは中断されるものの最終的には売上原価又は棚卸資産に振り替えられるため、最終的に売上原価に集計されていくことに変わりはないことになります。

 

この原価の投れをイメージした上で、次に説明するワークシートを作成し、勘定記入又は仕訳記載する必要があります。

 

3、ワークシートの記載

2級の工業簿記では、簡単な原価計算しか求められていませんが、原価計算が正確に行えないようであれば、工業簿記での記帳も正確に行われません。

 

そこで、正確に原価計算のために簡単なメモ書きを行うことにより正確に答案用紙に記入することが無難と考えています。

 

このメモ書きをワークシートと呼んでいます。

 

ワークシートの作成は、次の2段階に分けて実施します。

 

まず、問題用紙に与えられている原価データ及び計算方法をワークシートに分かりやすく記入していきます。

 

原価データとは、当月又は当期における発生した原価の種類、原価の消費額又は消費額を計算するための基となる数値のことを言います。また、計算方法とは、個別原価計算、総合原価計算の区別、及び単純総合原価計算、等級別総合原価計算、組別総合原価計算、工程別総合原価計算の区別、並びに先入先出法、総平均法等の区別を言います。

 

その次に、記入されたワークシートの数値を元に単純に計算していきます。

 

この計算の際に、金額的バランスがおかしい、データが不足する又は割り切れないと言った異常データが算定された場合、再度問題文を確認し、記入された事項を修正することをお勧めします。

 

例えば、このような勘定連絡図が解答用紙に作成されるとします。

 

工業簿記-勘定連絡図

 

総合原価計算を前提とするなら、このような勘定連絡図が作成される元データとして、次のようなワークシートが作成されることが望ましいと思います。

 

このワークシートは、生産数量をベースに、原価を按分計算するためのものであり、そのまま勘定記入できるようなっています。

 

注意すべき点として、必ず原価の投入額(インプット)と払出額(アウトプット)の合計が一致していることを確認し、計算ミスをなくすようにしてください。

 

総合原価計算のワークシート

 

次に、個別原価計算を前提とするなら、上記勘定連絡図が作成される元データとして、次のようなワークシートが作成されることが望ましいと思います。

 

このワークシートは、各指図書ごとに費目を直課又は配賦する計算表です。

 

この計算表に、いつ着手か、いつ完成か、引渡しか併せて記載することにより、年次決算時点又は月次決算で、各製造指図書ごとに集計された原価のステータスが、仕掛品であるか、製品であるか、売上原価であるか一目でわかるように出来ます。

 

また、費目発生額が各指図書に直課又は配賦された金額の合計と一致しているか確認し、また仕掛品勘定の前月繰越額が前月繰越の合計と一致しているか確認し、インプット金額の正確性を確認してください。

 

さらに、解答用紙に転記する際に、仕訳記載又は勘定記入が求められる場合、貸借の一致を確認しておくことでさらに精度が上がります。

 

個別原価計算のワークシート

 

このようなワークシートを各問ごとに作成し、計算後、解答用紙に求められているように転記することが、正確な解答のつながり、かつ検算機能も果たすことができます。

 

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