工業簿記の概要(その一)

工業簿記の概要(その一) 【簿記2級講義 第13講】

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【簿記2級講義 第13講】 工業簿記の概要(その一)

1、工業簿記の意義

商業簿記が商業を経営する場合に適用される複式簿記のことをいうなら、工業を経営する場合に適用される複式簿記のことを工業簿記と言います。

 

商業経営とは、企業等が仕入先から商品を購入し、その商品を取引先に販売することによって、利益を得る企業等の活動のことを言います。

 

これに対して、工業経営とは、原材料を加工して製品を造り、その製品を販売することにより利益を得る企業等の活動のことを言います。

 

商業経営と工業経営では、商品と製品という物品を販売して利益を得るという点では同じですが、その物品を他から購入するのか、自ら物品を製造するのかが異なります。

 

したがって、工業経営の特徴は、製品の製造活動を行う点にあります。

 

この製品の製造活動をどのように複式簿記上で扱うのか、言いかえれば、製造業の事業活動をどのように仕訳として起票していくのか学習するのが、この工業簿記です。

 

工業簿記の特徴

 

2、工業簿記の特徴

工業経営では、製品の製造活動を行うことが特徴となりますが、原材料を単に加工するだけでも、従業員の労働力を使用しますし、工具・器具・備品や機械や水道光熱費を使用することになります。

 

この製品の製造活動にかかわり発生した費用を製造工程に対するインプットとして認識し、このインプットとなる費用のことを原価と言いいます。消費されたモノは原価財と呼びます。

 

また。製造工程から生成される製品をアウトプットとして認識し、アウトプットとして生成される製品のことを経営給付と言います。

 

複式簿記の目的は、企業等の経営活動を帳簿に記録、計算し、経営情報に役立たせるとことでしたが、工業簿記においても同じことが言えます。

 

すなわち、工業簿記の目的は、インプット(原価の消費)からアウトプット(製品の生成)の間の原価の集計と原価の計算を行うことにより、アウトプットである製品の原価を計算することと言えます。

 

そして、結果として、工業簿記は経営情報に役立つ製造活動のデータを提供することになります。

 

工業簿記の勘定連絡はというと、企業の活動実体と同様に設定されています。

 

原材料等の原価財が製造工程に投入され、加工された、仕掛品に形態が変えた場合、各原価財勘定から仕掛品勘定に振り替えられ、製造工程から製品が排出されたた場合、仕掛品勘定から製品勘定に振り替えられます。

 

工業簿記の特徴の多くは、この消費された原価の振り替え処理の連続にあり、商業簿記にはなかった処理です。

 

を工業簿記における勘定連絡を工業経営における企業活動に対応させて図示すると、下記の通りになります。

 

工業簿記の勘定連絡

 

3、原価計算

複式簿記の目的が、企業等の経営情報の提供にあり、会社の利益計算を行う必要がありますが、そのためには、この利益計算の元となる売上原価の額を算定しなければならず、製品価格の算定が必要となります。

 

しかし、商業簿記のモデルとなる商業経営の場合、商品を購入し、それを販売するという会社外部との間の単純な取引が主であるのに対して、工業簿記のモデルとなる工業経営の場合は、自ら製品を製造して販売するという会社内部の取引が主となり、複雑な内部取引が発生します。

 

したがって、企業内部で行われる製造活動を記録し、製品原価を正確に計算することが必要となります。

 

この製造活動に要した原価を計算・記録・集計して、製品原価を計算することを原価計算と言います。

 

原価計算によれば、原価財の投入額又は消費額のことを原価発生額と呼び、原価発生額が集計される製品等のことを原価(計算)対象と呼びます。

 

通常は、この原価計算が組み込まれて、工業簿記が実施されます。

 

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