総合問題と精算表

総合問題と精算表 【簿記2級講義 第12講】

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【簿記2級講義 第12講】 総合問題と精算表

1、総合問題

これまでは期中の取引の処理方法を記載してきましたが、簿記の問題で必ずと言っていいほど出題される問題が総合問題です。
総合問題とは、決算整理前の残高試算表等を基に、決算整理後の残高試算表又は貸借対照表及び損益計算書を作成するという色々な勘定処理を求める複合問題です。

 

このような問題は、期中における各個別論点を理解した上で、決算独自の処理方法も理解していないと解けない問題ですので、簿記に関する幅広い理解度を問える問題となっているため出題されます。
以前に記載しましたが、決算は通常下記の手続で実施されます。

 

①決算予備手続-残高試算表の作成、決算棚卸表の作成、決算整理仕訳の記録、決算整理後残高試算表の作成
②決算本手続-総勘定元帳の締め切り、仕訳帳の締め切り、繰越試算表の作成
③財務諸表の作成-貸借対照表と損益計算書の作成(2級では、記載様式を注意する)

 

この手続きの中、決算棚卸表の作成及び決算整理仕訳の記録を行い、これを集計することにより問題を解くことなります。決算棚卸表に記載される事項は、『決算整理事項』として資料が与えられます。

 

この処理を含む簿記の流れを、期中手続と決算手続に分けて示すと下記のとおりとなります。

 

期中取引と決算手続

 

上記のとおり、2級では、貸借対照表の作成、損益計算書の作成過程で、どのような記載パターンがあるのかを再度確認しておく必要があります。

 

例えば、貸借対照表の流動区分、固定区分の分類、損益計算書の損益区分を正確に覚え、どの区分にどのような勘定科目が記入されるのか確認する必要があります。

 

逆に、答案用紙の財務諸表の空白の位置からどのような勘定科目が入るべきなのか予想して、見直せるようにしておくとミスを防げるのではないかと思います。

 

この他に、本支店会計を含めた問題となる場合は、下記の事項を追加で処理する必要があります。

 

① 未達取引の整理
② 本支店勘定の消去
③ 本支店間内部取引高の消去
④ 内部利益の控除

 

2、決算棚卸表の作成と決算整理仕訳の記録

期中の仕訳は、基本的には企業等の財産が変動する取引について行っていますが、決算時には決算独自の仕訳を行います。
これにより期中に収入・支出の発生ベースで処理されていたものが、期間収益・期間費用ベースで処理されることになります。
この決算損益計算を実施させるための処理を、決算整理事項と言い、この仕訳を決算整理仕訳と言います。

 

決算独自の処理項目を次のように決算棚卸表に列挙することにより期間損益計算を実行する第一歩です。

 

①現金過不足の確認
②銀行勘定調整
③期末商品、消耗品の棚卸
④棚卸減耗損及び商品評価損の算定
⑤有価証券の評価替え及び償却原価法の適用
⑥貸倒引当金の金額及びその他引当金の金額の算定
⑦未決算勘定、仮払金、仮受金の処理
⑧固定資産、繰延資産の償却額の計算
⑨収益費用の繰延べ、見越し
⑩社債発行差金への償却原価法の適用
⑪ 税金費用の計算

 

3、売上原価の算定

商品の売買は3分法を用いて処理するのが一般的ですが、3分法で処理した場合当期に仕入れた金額は仕入勘定で処理されることになります。
言いかえれば、当期に仕入れたものだけがそのまま仕入として費用計上されています。
しかし、費用に計上すべき売上原価は当期の仕入金額に前期末の商品棚卸金額を足して、当期末の商品棚卸金額を引いたものです。

 

つまり、当期に売れた商品原価だけを費用計上すべきであり、当期末の商品棚卸金額は当期の翌期以降の費用として繰延べる必要があります。

 

また、当期末に商品の実地棚卸を行い、数量減が発見された場合、当該費用を認識するため棚卸減耗損を計上する必要があります。

 

当期末に商品の時価の低下が生じているような場合も、当該費用を認識するため商品評価損を計上します。

 

その処理を簿記上では下記の通り仕訳を行うことにより行います。

 

仕入     ××円 / 繰延商品 ××円 - 前期末の商品棚卸金額
繰延商品  ××円 / 仕入    ××円 - 当期末の商品棚卸金額
棚卸減耗損 ××円 / 繰延商品 ××円 - 実地棚卸による棚卸減耗損
商品評価損 ××円 / 繰延商品 ××円 - 時価低下による商品評価損等

 

また、棚卸減耗損及び商品評価損を売上原価に含める場合は、それらを仕入勘定に振替える必要があります。

 

4、精算表の作成

精算表とは、正式な決算の手続きとは異なりますが、残高試算表の金額から貸借対照表及び損益計算書の金額への変動の推移を記載した一覧表です。
精算表の作成を非公式な手続きで行うのは、決算手続きの概要を把握するのに役立ち、迅速に決算数値を得ることができるためです。

 

一般的に使用する精算表は、8桁精算表と呼ばれるもので、勘定科目別に、①残高試算表の借方と貸方、②整理記入の借方と貸方、③損益計算書の借方と貸方、④貸借対照表の借方と貸方の欄が設けられています。

 

手順は、①に残高試算表の数値を入力し、②決算整理仕訳の数値を入力し、①と②の残高を、③と④に転記するように入力します。
次に、③欄の貸借差額で当期純利益又は当期純損失を算定し、同額貸借対照表に記載します。
最後に、それぞれの欄の貸借が合致していることを確認します。

 

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