直接原価計算

直接原価計算 【簿記2級講義 第23講】

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【簿記2級講義 第23講】 直接原価計算

1、直接原価計算の意義と目的

直接原価計算は、製品原価に変動費のみを集計して計算される原価計算制度です。

 

製品原価に変動費のみでなく、固定費をも含めて製品原価を計算する伝統的な全部原価計算と異なります。この点から、製品原価に固定費を含めないため、直接原価計算制度の採用による財務諸表の作成は制度上認められていません。

 

なぜなら、制度会計上、原価は製品の生産のために消費した原価材の投入額すべてを集計することとされているので、製品の生産のために消費した固定費を製品原価に集計しない直接原価計算は正式な財務諸表の作成目的には使用されません。

 

このように制度として認められない直接原価計算が求められる理由は、利益管理にあります。

 

直接原価計算は、原価を変動費と固定費に分類し、売上高から変動費を差し引いて貢献利益を計算し、貢献利益から固定費を差し引いて営業利益を計算するという期間損益の計算方法ですので、利益の計算構造が単純になります。

 

つまり、営業量が増加した場合、その営業量の増加に比例して貢献利益が増加し、後は固定費の回収にどれだけ貢献できるか、又は固定費を超えてどこまで利益計上できるかを単純に理解することができます。
また、CVP分析において、売上高が増加した場合、変動費がどのように増加し、営業利益がどのように増加するかという利益予想を行いますが、この損益構造が財務諸表(直接原価計算に基づく財務諸表)の情報から入手することが可能となります。

 

よって、直接原価計算は、原価管理、収益性分析、短期利益計画の作成、製品価格の決定のために利用されることがあります。

 

直接原価計算による損益計算書

 

2、固定費調整

直接原価計算による損益計算書は公表用の財務諸表として使用できないため、全部原価計算による損益計算書に修正する必要があります。

 

この修正作業は、直接原価計算と全部原価計算との差に着目し、固定製造間接費の取り扱いの相違点を修正することにより行います。

 

つまり、直接原価計算は固定製造間接費を製造原価に含めないので、全部原価計算において固定製造間接費のうち期末棚卸資産に含められる金額分は利益を増加させ、期首棚卸資産に含められていた金額分は利益を減少させることになるため、このような調整を行うことにより、直接原価計算による営業利益から全部原価計算による営業利益に修正します。

 

固定費調整の概要は下記の通りです。

 

全部原価計算による営業利益 = 直接原価計算による営業利益 + 期末棚卸資産に含まれる固定製造間接費 - 期首棚卸資産に含まれる固定製造間接費

 

直接原価計算と固定費調整

 

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