問題の解答方法と過去問の傾向

問題の解答方法と過去問の傾向 【簿記3級講義 第13講】

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【簿記3級講義 第13講】 問題の解答方法と過去問の傾向

1、過去問の傾向

過去の日商簿記検定問題は5問で構成されており、それぞれの問題が独立した形で出題されています。
一般的に、第1問目がある取引事象について仕訳記録する問題となっており、第2問目が補助簿を記録する問題等補助簿関係の問題となっています。
その後、1問は、総勘定元帳の記載、伝票の記載等個別論点を問う問題となっています。
次に、点数配分の多い重要な問題として総合問題があります。
5問中2問がこの総合的な問題となっており、簿記的取引の仕訳記録、集計整理の能力を問い、決算整理の事務処理の正確性を問う問題となっています。
また、最近は勘定数値の金額記載を省略しておいて、その金額を解答させる推定問題が多数出題されています。この推定問題は、単純に仕訳記録し、集計整理するという順序で行うのではなく、関連する資料から簿記の構造又は事実関係から数字を推定することになるので、難易度の高い問題となる傾向にあります。

 

2、仕訳の問題

まず、最初に仕訳の問題の特徴について解説しておきます。
仕訳問題の特徴は、単純な1行仕訳を解答させるのではなく、2行仕訳以上の仕訳を求めることが多くなっています。2行仕訳というのは、例えば、仕入の支払方法として掛けと手形と債権の相殺といった複数の支払方法を合わせて行うものです。
また、解決仕訳も多くなっています。解決仕訳というのは、一旦、仮払金・立替金で処理されていた項目の顛末を複数処理させる仕訳です。

 

このような複雑な仕訳の処理方法として、債権、債務の発生、消滅と収益、費用の発生を個別に認識し、それぞれについて勘定と金額を個別に記載していき、貸借を平均化させるように当てはめていくことが考えられます。この処理をする上で重要となる点は、ある記帳対象となっている企業にたって、どのような債権、債務が発生、消滅するのか、どのような収益、費用が発生するのか個別に検討していくことです。

 

もう一つ考えられる処理方法として、仕訳を分解する方法があります。この仕訳を分解する方法とは、2行仕訳を2段階に分けて仕訳記録し、解答時に集約する方法です。たとえば、仕入を掛けと手形支払いで行った場合、仕入を一旦掛けで仕入れて、その後掛代金の一部を手形で払うというように分解して処理しておいて、2仕訳のうち重なる部分を消去します。

 

3、補助簿関連の問題

補助簿関連の問題は、単純に補助簿に取引記録させるものが多いですが、補助簿から取引を推定させる問題もあり、また特定の取引について記載される補助簿を回答させる問題もありました。
このような問題を解く上では、まず代表的な補助簿の記載方法を確認し、逆に補助簿のデータを読み取れるようにする必要があります。
補助簿には次のようなものがありますが、まずこれらを確認することをお勧めします。

 

①(小口)現金出納帳
②当座預金出納帳
③仕入帳、売上帳
④買掛金元帳、売掛金元帳
⑤商品有高帳
⑥支払手形記入帳、受取手形記入帳

 

4、個別論点

この個別論点については、基礎的な簿記の構造を問う問題、総勘定元帳への記入の問題から伝票記入の方法までかなり広い論点を含みますので、特にここでの回答方法の解説は省略します。これまでの講義内容を確認してください。

 

5、総合的な問題

総合的な問題とは、簿記的取引の仕訳記録後、集計整理を行う問題で、特に決算整理の事務処理を行わせる問題のことを言います。
この決算整理事項には他のページに記載のように下記のようなものがあり、これらの処理を問う問題ですので、必然的にこれらに関連する勘定科目の正確な処理方法を知る必要があります。

 

①現金過不足の確認
②期末商品、消耗品の棚卸
③貸倒引当金の金額算定
④売買目的有価証券の時価評価
⑤固定資産、繰延資産の償却額の計算
⑥収益費用の繰延べ、見越し
⑦引出金の金額の確認
⑧仮払金、仮受金の精算
⑨税金費用の計算

 

また、この問題で注意すべきことは、決算整理後試算表という形で回答するのか、貸借対照表と損益計算書という形で回答するのか、精算表という形で回答するのかという点です。

 

決算整理後試算表という形で回答する場合、決算整理後試算表では当期純利益の算定と資本金振替が済んでいないですし、当期純利益を計上しない状態で貸借は合計一致します。

 

貸借対照表と損益計算書の形式で回答する場合、これらの表示形式を確認する必要があります。なぜなら、貸借対照表と損益計算書での表示方法が多数あり、それに合わせて問題用紙に回答する必要があるからです。
たとえば、総勘定元帳上は仕入勘定で処理していた売上原価は、損益計算書上では売上原価として表示し、残高試算表上は貸方に表示していた貸倒引当金、減価償却累計額は、貸借対照表上では借方の売上債権勘定、建物・構築物・備品等の有形固定資産勘定から控除する形で表示します。
このような表示形式の違いは、一度確認しておくことをお勧めします。
その上で、貸借対照表と損益計算書のそれぞれの貸借の合計一致を確認します。

 

精算表の形式で回答する場合、試算表欄と整理記入欄の合計差額が損益計算書と貸借対照表に記入されているかを確認し、それぞれに属する勘定が記載されているか、又あるべき貸借に記入されているか確認します。また、試算表欄、整理記入欄、損益計算書欄、貸借対照表欄の貸借合計一致を確認します。

 

 

6、推定問題

最後に、推定問題について記載しておきます。
まず、推定問題は下記のタイムテービルを利用して、どの時点の数字又は資料が与えられているのか確認した上で、問題文を読んで、どの時点の数字を計算すればよいのかを検討する必要があります。
その後、ある数字と資料の時点と解答を求められている数字の時点との間でどのような修正仕訳が入ったのかをイメージすることができれば解答可能になります。

 

推定問題-複式簿記の流れ

 

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