資本金と引出金

資本金と引出金 【簿記3級講義 第10講】

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【簿記3級講義 第10講】 資本金と引出金

1、資本金

簿記の記帳対象は、株式会社、合同会社、NPO法人等の法人をイメージすることが多いですが、個人事業者が運営する個人事業も簿記の記帳対象となります。
個人事業の場合、貸借対照表の純資産の部は資本金のみによって構成されています。
この純資産は事業の安定性を意味し、純資産の構成要素である資本金勘定が増加することにより安定性が増すことになります。

 

資本金の増加要因としては、次の通りです。

 

①店主からの事業への資本の出資、追加出資
②当期純利益の計上

 

①の店主から事業への出資及び追加出資は、金銭による出資のみでなく、商品、建物、備品等の事業で使用する物品による出資も可能です。

 

逆に、純資産が減少することも有り得ますが、純資産の減少要因としては、次の通りです。

 

①店主による出資資本の引出し
②当期純損失の計上

 

純資産の増加要因及び減少要因の②で記載している当期純利益又は純損失の計上は、収益と費用の総勘定元帳の締め切りで説明した通り、損益勘定に集計された収益と費用の貸借差額で当期純損益が計算され、その当期純損益が資本金に振り替えられることにより引き起こされます。

 

①の店主による出資資本の引出は、金銭による資本の引出しのみでなく、商品を私用に消費したり、その他の事業用資産を私用に転用する場合も含まれます。
このように、個人事業者において、店主からの事業への資本の出資や引出しも簿記の記帳の対象となります。

 

このように経営活動の実施により純財産が増減する場合、事業財産自体が増減する場合に資本金が増減しますが、個人事業者の簿記上の記帳対象となります。

 

個人事業者の記帳対象

 

2、引出金

個人事業者は、法人と異なり事業活動のみを行っているのではなく、プライベートでも活動を行っています。
個人事業者は、事業活動で使用するため、プライベートで保有する財産を事業財産として移転することがあり、これを出資又は追加出資といいます。逆に、プライベートの活動のため、事業活動で使用する財産を私用財産として移転することがあり、これを資本の引出しといいます。
この資本の引出しが頻繁に行われる場合は、資本金勘定の減少として処理するのではなく、引出金勘定を用いて処理することがあります。
引出金勘定を用いた方が、一会計期間中の引出額が明確で、期中における資本金の金額が変動しないので事業の元本額が明白になります。
一会計期間中に引出金勘定に集計された、資本の引出額は決算において資本金勘定に振り替えることになります。

 

つまり、引出金勘定は資本金勘定に付随するワンセットの勘定であり、このことを資本金勘定の評価勘定といいます。

 

3、店主勘定

資本の引出しがある場合に引出金勘定を使う場合があると記載しました。
これを資本金処理の第2の方法とすると、資本金処理には第3の方法があります。

 

この第3の方法とは、店主勘定を用いた方法です。
この方法は、店主の出資及び追加出資の際に資本金勘定を増加させますが、資本の引出し及び当期純損益の計上の際には店主勘定を用いて処理します。
しかし、この店主勘定も決算において資本金勘定に振り替えることになるため、結果的に資本金の金額は資本金勘定のみで処理する方法によッた場合の資本金残高と同額となります。
引出金勘定を用いる第2の方法に寄った場合とも、資本金残高が一致することになります。

 

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