絶滅寸前こだわり商品No.8

リヤカー

まったく見かけないというわけでもないが、はすぴーがガキの頃に比べてめっきりと

減ったものが「リヤカー」である。

俺がまだ小学校に入学する前に、近所の工場で働くお兄さんにリヤカーに乗せてもらった

ことがある。「いいか、しっかりと捕まっていな。思いっきり飛ばすからな」。。。

たぶんそんなセリフだったような気がする。

俺たちは4人でリヤカーにしがみついたが、すごいスピート(多分時速10キロ)で、恐い気分

と当時に風をきって走る爽快感を味わった、、、、それがはすぴーとリヤカーとの最初の

出会いだったかも知れない。

 

言うまでもなく、リヤカーは子どもたちを乗せて走らせるものではなく、荷物や機材を

運搬するための二輪の荷車である。最近、都内ではあまり見かけなくなったが、たまに

ホームレスのような人が段ボールを運んでいたり、ラーメンの屋台としてリヤカーを

使っている場面を極まれに見かける程度である。

 

さて、今回は「リヤカー」について調査してみることにする。

rearcarと横文字になっているから、英語かと思いきや、どうやらこれは和製英語

のようである。当然、商品も歴然たる純国産品なのである。

確かに、アメリカ映画でリアカーが登場したことはないし、リヤカーでホッドドックを

売っている光景も見たことはないし、パートリッジファミリーがリヤカーに楽器を乗せ

ているシーンはない。(笑)

関東大震災の頃から、外国製のサイドカー付きのオートバイに、荷物を乗せて運ぶ光景が

見られるようになり、それを自転車でそれができないかと当時の人は考えたらしい。

しかし自転車の横に荷台をつけると運転が難しくなる。また横(サイド)より後(リヤー)

の方がたくさん積めるだろうと考え、 それまで主流だった大八車の機能も加えて

’RearCar’を考案し、リヤカーと命名されたそうだ。

ちなみに後ろにつけて引くのは日本と韓国だけだそうで、アジアの他地域では前に付けて

押すそうだ。これをフロントカーと呼ぶかどうかは今回の調査では不明だった。。。(クヤシイ)

 

リヤカーの発祥は東京の「秋葉原」という説が強い。今でこそ秋葉原はパソコンや家電の

メッカとして全国的に有名だが、大正時代には自転車の卸店が多く、当然このあたりから

リヤカー製造業者もたくさんいたらしい。

昭和19年には、東京都下35区内に、自転車とリヤカーの修理をする共同作業所が約800

個所もあったというから、いかに戦時下の人々が自転車とリヤカーに頼らざるを得なかった

かがかわる。

戦後もミゼットに代表される小型トラックが登場するまで、リヤカーはもっとも身近な

運搬車両として秋葉原から貨物列車で関東、東北へ出荷されていった。

昭和30年代には、街中では多くの人がリヤカーを 使って物を運んでいた。八百屋さん、

魚屋さん、花屋さん、焼鳥屋さん、 おでん屋さん、ラーメン屋さん、氷屋さん、風鈴屋さん、

金魚屋さん、ポン菓子屋さん等々多種多様な人達がリヤカーをひいて商売をしていたのである。

地方の人は人力で引き、都会では自転車で引っ張るという利用方法の違いがあったらしいが、

はすぴー世代のおっさんにとっては、リヤカーと聞くと妙にノスタルジーな気分になってしま

うのはこのためなのかも知れない。

 

しかし、やがてリヤカーは運搬車両の王座を滑り落ち、現在業者は、関東周辺でも数軒だけに

なってしまったらしい。しかもリヤカー製造のみの専門業者は存在しないらしい。

インターネットで調査したところ、はすぴーの住む足立区のとなりの荒川区に専門ではないが

リヤカーを製造・販売している会社を発見した。

「(株)ムラマツ車両」といって、住所は荒川区の南千住となっている。本来であれば

「だまるストーブ」の時のように現地に押しかけて取材でもしたいところだが、この日のはすぴー

は恐妻から「司令コード番号G008:3歳の三女の子守り命令」を受けていたので、自宅から出る

ことは許されていないだ。(泣)

 

電話番号が書いてあったので、あつかましいと思いつつ電話をかけて、リヤカー以外にどんな

ものを作っているのか尋ねてみたところ、工事現場で使われる1輪車、電車の中で使われる

サービス用ワゴン、屋外用の脚立、、、なども手がけているとのこと。でもリヤカーの在庫を

常時30〜40台を抱えている工場は日本でもうちくらいのものだと言っていた。

リヤカーはラーメンの屋台とか廃品回収に使う以外、どんなところで使われているのかを

聞いてみたところ、ラーメンの屋台なんてほとんど出ないという。一番多いのは工事現場だと

電話の主は言った。(うーむ、だるまストーブと同じ場面でニーズがあるらしい)

いくらトラックが便利だと言っても、狭い場所での運搬はどうしてもリヤカーを利用した

手運びになるということか。

そういえば、平成7年の阪神大震災で電気もガソリンもなくなった時、頼れるエネルギー源と

して、「人力」がもっとも役立ったとニュースに出ていたことを思い出す。

 

普段、私たちが忘れかけているが、究極の便利なものとは、どうやら「人力」ということに

なるのではなかろうか。

最近では、折り畳み式のリヤカーも注目されているようであるし、また運搬だけを目的にした

リヤカーだけでなく、ちょっとしたオブジェとしたり、花屋さんがよりかわいく見せて花を届ける

もの、、、等々に開発コンセプトを置いているようだ。

地球にもやさしいリヤカーは細々ではあるが、それを便利だと使う人がいる限り、絶滅すること

はなさそうである、、、というのが今回のはすぴーなりの結論である。

     

現行のリヤカーの寸法と定価表

形式 荷台寸法mm (尺) 積載荷重 (Kg) 取付車輪 定価

MR−1 700× 910×H450(2.3×3.0) 350 エアータイヤ 26×2.5 \72,000

MR−2 750×1060×H450(2.5×3.0) 350 エアータイヤ 26×2.5 \72,000

MR−3 850×1210×H450(2.8×4.0) 350 エアータイヤ 26×2.5 \74,000

MR−4 910×1360×H450(3.0×4.5) 350 エアータイヤ 26×2.5 \76,000

MR−5 910×1510×H450(3.0×5.0) 350 エアータイヤ 26×2.5 \80,000

 

問い合わせ先

東京都荒川区南千住2−26−9

株式会社 ムラマツ車輌

TEL03(3803)0661  FAX03(3806)2809

(原稿:2001.5.20)


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