「巻玉鉄砲」と「銀玉鉄砲」

当時の男の子なら絶対に誰でも遊んだものとして「巻玉鉄砲」と「銀玉鉄砲」がある。

はすぴー世代のおっさんにとっては、これらの名前を聞いただけで「うう

うーーん、のすたるじぃ〜!」とウナッテしまうほどウレシ懐かしいおもちゃの一つである。

 

【巻玉鉄砲:まきだまてっぽう】

「巻玉鉄砲」は別名「百連発」「キングコルト」とも呼ばれていて、弾を

発射するものではなく、「バンバン」と音を楽しむものであった。

巻き玉火薬という紙でできたロール状のものがあって、そのロール紙には

火薬の粒が一定間隔でならんでいる。その火薬玉をちょうどカメラにフィ

ルムを入れるように「巻玉鉄砲」に装てんする。

引き金を引くたびにロール紙が少しづつ回転する仕組みになっていて、連発が可能。

当時、鉄砲本体は30円、巻き玉火薬が1個1円〜2円だったと思う。

 

暗い場所で「巻玉鉄砲」を撃つと、火花が見えて実にカッチョよかった。

いっきに30発くらい撃ち続けると手が疲れてしまうが、周辺には火薬の

匂いと煙が充満し、ある種の充実感もあったりしたもんだ。

たまーに引き金の隙間部分に指の皮を挟んでしまい、死ぬほど痛い経験をした

人も多いと思われる。

 

この「巻玉鉄砲」に似ているものとして、「平玉鉄砲」(ひらだまてっぽう)

というものもあった。これは平玉火薬と呼ばれる火薬を1発づつ詰めなくてならない。

そうそう、運動会の徒競走で体育の先生が「よーーい、ドン」で鳴らす鉄砲と同じもんだ。

こちらの方は連発ができないという欠点を補うために、重量感のある本格派

の鉄砲だったように記憶している。ライフルのようなものもあったと思う。

「平玉鉄砲」は値段も高かったので、もっぱらはすぴーは駄菓子屋で30円の

「巻玉鉄砲」の方を指の皮を挟みながも使っていた。

「巻玉鉄砲」は家の中でやると「ウルサイっ!火薬クサイっ!」と母親に叱ら

れるという欠点もあった。

また 作りがチャチだったので、すぐに壊れたりしたが、すぐに買ったので、

たぶん延べ10丁くらい購入したような気がする。。。

 

 

【銀玉鉄砲:ぎんだまてっぽう】

「巻玉鉄砲」もそれなりにカッチョよかったのだが、やはり鉄砲は弾がでない

と面白くない。そこで「銀玉鉄砲」の登場だ。

「銀玉鉄砲」はプラスチック品で、種類も豊富だった。

中でも有名なのが、「セキデンオートマチック」の存在だ。当時の価格で50円だったように思う。

「銀玉鉄砲」にはスプリング方式とハガネ方式のものがあり、前者は「バビーン」

という音でいかにも「弾をはじいています」といった感じだったが、後者は

「カチカチ」と安ぽっい感じの音がした。

飛距離、命中率はスプリング方式の方が優れていたが、引き金が重いというデメ

リットもあった。価格、小型面ではハガネ方式の方が有利だった。

はすぴーの場合、屋外での鉄砲ごっこの際にはスプリング、室内での的当てゲーム

ではハガネと使い分けていた。そして「むふふ、二丁拳銃使いのはすぴーだぜ」

なんて言って腰に二丁ぶらさげていた写真がアルバムに貼ってある。

 

銀玉は粘土のようなものに銀色をまぶした弾で、割ると粉っぽいものだったし、

形もいびつなものも多かった。

1ケースに50個の弾が入って5円。箱の色は赤と黒があった。

そしてたぶんこのことを知っている人は少ないと思うのだが、「えんどう豆」

ちょうどぴったり銀玉と同じ大きさなので、代用したことがある。

(遊んだ後に芽が生えてきたので覚えている)

そして銀玉ではなくて「金玉」も発売された。金玉の方は大きな声を出して

買えない、女の子の前ではなんとなく恥ずかしいという欠点もあったが、珍しさで人気があった。

 

「銀玉鉄砲ごっこ」という遊びは地方によって、若干異なるようだが、おおよそ

雪合戦に近いものだ。「悪漢探偵ゲーム」や「缶ケリ」の要素を加えた遊びもある。

全国的に共通することとして、場所は「神社」で行われることが多い。そして

業界では「デファクト・スタンダート」(事実上の世界標準)と呼んでいるが、

「タイム」というルールがある。

発音は「タァァーイム」といって「タ」と「イ」の間を長く言う。

これは別名「玉拾いのための小休止」とも言われている。

つまり「銀玉鉄砲」はだいたい50発くらいしか弾を装てん出来ないので、約

10分くらいすると弾が尽きる。お金持ちの子どもはポケットにいっぱいスペア

のケースを持っていたが、普通の庶民はそうではなかったので、誰かが「タァァ

ーイム」を宣言すると、みんなで玉を拾っては装てんし直すというルールがあった。

(銀玉は明治チョコベビーの箱に入れるのが流行った)

この光景をみて昭和天皇が「実にわが国は平和だのぉ〜」と申されたという記録

は残っていない。

 

「銀玉鉄砲」は「忍者部隊月光ごっこ」にも使われることが多いアイテムであっ

たが、むやみに使ってはいけないというルールがあった。

忍者部隊月光は基本は「忍者」であり、飛び道具は手裏剣であった。そして安易

にピストルを撃つと、隊長の月光から「バカ!拳銃は最後の手段だ」と怒られる。

ドラマではこういう設定なのだが、「忍者部隊月光ごっこ」では隊長役から

「バカ!、バカ」といわれつつ、安易に撃ってしまっている。

余談であるが、「科学忍者隊ガッチャマン」でもミサイルを撃つ際には南部博士

の承認を受けないと発射できずG2号が「あんなやつらバードミサイルでやっつ

けてしまおうぜ」というとリーダーのG1号が「バカ!我々は科学忍者隊だ、

バードミサイルは最後の武器だ」と言うので、ここに忍者特有のプライドという

ものを垣間見ることができる。

 

さて、銀玉鉄砲の次には「円盤鉄砲」が登場する。これは約1.5センチくらい

の緑色した円盤型の弾をハガネではじく鉄砲であるが、銀玉鉄砲に比べてあまり

人気がでなかったと思う。その理由としては弾のコストが高かった点、飛距離が

少なく、風が吹くと使い物にならなかった点があげられると思う。

飛ぶスタイルはカッチョいいのだが、ワイルドでないという感じであった。

ちょうどスキージャンブでたとえれば、銀玉鉄砲が原田で、円盤鉄砲が船木といったところではなかろうか。

 

いずれにしても駄菓子屋で売られていた鉄砲には、懐かしい思い出がいっぱいだ。

(99.4.7)

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「あの頃」のセピア色の想い出

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