絶滅寸前こだわり商品No.12

豆炭あんか  

この原稿を書いているのは、10月19日。「今年に入って一番の冷え込み」だ

そうで平常の12月上旬の寒さだと言う。うーむ、道理で朝、息が白かったわけだ。

そろそろコタツでも引っ張り出そうか、、、などと思ったりする。

 

昭和30年代の家は”密閉性”がなかったので今よりも冬は寒かった。また暖房器具

においても当時のものは”非力”だったので、家族で一個所に集まることが当り前で

まさに「一家団欒」というのは、ここからきた言葉ではないだろえか。

現在のように「ファンヒーター」「パネルヒーター」の類は存在しなかったと思う。

はすぴーの家では、電気コタツ「火鉢」はあったが、ストーブがなかった。

夜、寝る時には足元がとても冷えるので、「湯たんぽ」「豆炭あんか」を日替わりで

姉と交互に使いあったことを思い出す。

 

先日、ロジャース(ディスカウントショップ)で、昔ながらのトタンの湯たんぽを980円で

売っているのを発見したが、「豆炭あんか」にいたってはほとんど見かけなくなった。

そこで、今回の絶滅寸前の商品として「豆炭あんか」を調査対象にしてみよう。

現在でも「豆炭あんか」はあんか(あるのか)と寒いおっさんギャグを飛ばしながら

調査開始なのだ。いえぇ〜い。

 

そもそも今の若者にしてみれば、「豆炭」とはなんぞや?「あんか」って何なのさ?

、、、と思われるかも知れないので、少しだけ説明を加えておこう。

豆炭

家庭用燃料で石炭・無煙炭・木炭・亜炭・コーライトなどの粉末をまぜ、粘着剤で卵形に固め乾燥したもの。3〜4cmの豆のような形の炭だと思って欲しい。

同じようなもので、「練炭」というのが燃料あり、これは円筒形で、燃焼をよくするため縦に数個の穴を通してある。練炭火鉢や七輪(しちりん)に使用するので、練炭は今でも見かけることがある。

練炭

あんか

漢字で書くと「行火」。土製の枠の中に火入れに火を入れて、手足を温める小型の暖房具。(大辞泉より) 

かつてダウンタウンブキウギバンドが「港のヨーコ」の曲の中で「あんか あのこの何なのさ」と歌っていたが、関係ない。

さらにドリフにいた荒井注が「ぬぁんだバカ野郎、文句あんか!」と言っていたがますますお呼びでない。

(これゃまた失礼〜) <(_ _)>

画像を見ていただければ、おおよそ想像がつくだろうが、要するに大き目の弁当箱

みたいなものに豆の形をした炭を入れて、それを抱いて寒い夜を過ごすという暖房具

だと思ってくれれば良いのだ。

 

さて、内心「こんなもんもう作ってないだろうなぁ〜。前回調査の卓上ピアノの時は

全滅してしまったものは”絶滅寸前とは言わない”と読者から指摘されちまったしなぁ〜」

などと思いつつ、インターネットで調査すること約2時間、、、わっはっは、なはなは。

ありました、ありました、今でも作っています、売っています。(^_^)v

 

歴史をひも解けば、昭和34年、品川燃料株式会社(現:シナネン)という企業が『品川あんか』

の名前で世の中にデビューさせ、発売と同時に、新聞・雑誌・テレビを通じて大々的

に宣伝され「豆炭1個で24時間保温」のキャッチフレーズが全国に浸透した。

各地の問屋から注文が殺到し、初年度だけで47万個が発売されたというからすごい。

人気はさらに続いて、最盛期には年間300万個以上も生産される大ヒット商品に

なったそうだ。

昭和36年当時の『品川あんか』の値段は480円で、豆炭は1個1円だったそうで

電気代に比べて、はるかに安かったらしく、「あんかは安価」とはすぴーの父は言っ

ていただろう。(^^ゞ

ところが、現在の生産個数は5〜6万個に減少し、今では品川燃料の子会社である

株式会社 栃木ブリケットに生産を移行している。年間を通じて作る数量ではなく、

シーズン前の10〜11月に細々と生産しているようだ。

調査では、この『品川あんか』かどうかは不明であったが、豆炭あんかを販売して

いる商店がいくつか検索にヒットした。これらは商店は「炭」や固形燃料など取り

扱っており、ついでに「あんか」も販売しているような印象を受けたが、それなりに

ニーズもあるのかも知れない。たまたま「あんかファン」の声があったので、紹介すると

「岩綿を使っているので、保温性が高く、安心で地球にも優しい。外側の

通気孔から空気が送り込まれ、立ち消えを防ぐと同時に過度の放熱もやわらげて

くれるから電気あんかよりも熱の伝わり方が優しいんです。使用中に足で蹴っ飛ば

しても、燃えている豆炭には何も影響ないですよ。安心、安全、安価の三拍子

揃った暖房具です。」

 

では、なぜこれほど優れた商品が消えつつあるのだろうか?推測するに、やはり

炭をおこす手間と炭を使うので汚れることを嫌がられるのだろう。あとは灰を

捨てる場所もないし、はすぴー的には冬の寒い朝にこういう作業はしたくない。

ちなみに現在の豆炭の値段は3キロ入り袋(約60個)が850円、マッチ1本で

火がつく「いっぱつマメタン」は30個で1300円だから、あんかは安価という

感じではなくなったように思う。あんか本体は、2250円

 

地球に優しく、身体だけでなく、人々の心までも温かくしてくれる「豆炭あんか」

ではあるが、現代人には億劫で手間のかかる商品であり、絶滅寸前の対象と呼ばざ

るを得ないか。しかしアウトドアの人気に乗じて、細々ながらも息の長い商品に

なる可能性もありそうだ。

         

 

(株)栃木ブリケット

〒329-24 栃木県塩谷郡塩谷町船生7571-24

пF0287-47-1114 

たどん屋の販売所      炭の山田

 

お便りコーナー

 

(原稿:2001.10.21)


 

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